フィリピン台風」カテゴリーアーカイブ

【フィリピン台風被災地支援活動 派遣スタッフ報告会のご案内】

◆◇フィリピン台風被災地支援活動 派遣スタッフ報告会のご案内◇◆
活動立ち上げ当時より、多くの方々からご支援いただきましたことを心よりお礼申し上げます。
当団体は、1月30日から2月8日まで2回目となるフィリピンの被災地へのスタッフの派遣を行い、現地の団体とともに調査を行ってきました。
スタッフの帰国後、今後の支援の方向性が決定いたしましたので、皆さまに報告させていただく機会を設けました。ボートを失って仕事ができない漁師たちへのボート提供を通じた生活再建支援。また、女性の自立を促進する活動も行っていきたいと考えております。調査結果や被災地の現状、活動計画の詳細を併せて報告させていただきます。
年度末のお忙しい中ですが、ぜひご参加いただき、引き続き応援いただけますと幸いです。復興していくにあたり、多くの支援が必要となります。皆さまのご協力をお待ちしています。
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【日時】3月29日(土) 14:00~16:00
【場所】こうべまちづくり会館 3階多目的室
※地図 http://www.kobe-sumai-machi.or.jp/matisen/4kuukan/kaikan.htm#access
【報告者】CODE事務局長 吉椿 雅道
      スタッフ 上野 智彦
【参加費】無料
【お申込】当日参加も可能ですが、人数把握のため、出来る限り事前に
CODE事務局宛てにお申し込みください。

【フィリピン台風30号】救援プロジェクトが決定しました!

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フィリピン台風30号(Haiyan)救援プロジェクトが決定しました!
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2013年11月8日、フィリピン中部を襲った台風30号(アジア名:Haiyan 
フィリピン名:Yolanda)により、これまでに死者6,201名、行方不明者
110名、被災家屋約110万戸、被災者約1410万人がフィリピン政府から報
告されています。(1月28日現在)
当団体は発災3日後より、この台風災害に対し阪神・淡路大震災以降53回目
となる救援活動を開始しました。これまでに二度の現地派遣を行い、この度、
以下のような漁業支援プロジェクトを正式に決定しました。
(セブ島北部、バンタヤン島の漁業支援)
被災地の漁村では、多くの漁師が今回の台風による高潮や強風でボートに被害
を受け、出漁できない状態が現在も続いています。また家屋の再建やボートの
修理・購入に必要な費用を捻出しなければならない状況の中で、現金収入を得
る機会も非常に少なくなっています。
このプロジェクトでは、セブ島に拠点を置く現地NGOネットワークとともに、
被災した漁師たちに対してボートを提供します。これにより漁師たちは漁業を
再開でき、彼ら自身の手で生活再建することが可能になります。
また、漁業において漁師である男性を支え、網作りや魚の乾燥、取引、販売な
どを担っている女性の役割にも注目しました。フィリピンの女性は元気で非常
によく働く一方、農漁村での現金収入が少なく、その役割の重要性も認識され
ていません。さらに、ボートを失って漁に出ることができない男性のストレス
が女性に対しての暴力に発展することもあります。このプロジェクトはボート
提供による男性漁師の支援だけにとどまらず、女性の雇用機会を提供します。
これにより彼女らがコミュニティ内での立場を向上させることで、たくましい
フィリピン女性の本来の力が発揮されます。それが漁業コミュニティ全体の成
長につながります。
発災から3ヶ月を経た被災地では、いまだ多くの被災者は日々の生活すら困難な
状況です。今後、復興が進むにあたり、被災地では多くの支援が必要となります。
引き続きのご協力よろしくお願いいたします。
CODE海外災害援助市民センター
事務局長 吉椿雅道

【フィリピン台風30号】救援ニュース No.34

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フィリピン台風30号(Haiyan) 救援ニュース No.34
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 吉椿と上野は2月8日に無事帰国しました。これから本格的なプロジェクト始動に向けて、今回の調査を整理して行きます。
 2人は2月6日には、ネグロス島のバランガイOld sagayを訪れました。この地域では、11月の台風30号(Haiyan)よりも2月1日に上陸した台風バシャンの被害が大きかったそうです。支援はロータリークラブやNGO、政府からも来ているが十分ではなく、食料などの支援も不安定だそうです。家の再建は行われたところもありますが、まだ大半は再建されていません。
 この地域のマングローブは、海岸線の人の住む地域よりも内陸側に植えられています。台風30号(Haiyan)の時は内陸側から強い風が吹きましたが、マングローブが強風から守ってくれたため、家やボートの被害は少なかったようです。しかし、台風バシャンは海側から強風が吹いたために、多くの家やボートが被害を受
けました。
マングローブは砂浜に植林しても根付かず波で流されてしまいます。また、砂浜にマングローブがあると船の出し入れに邪魔になるため、人が住んでいる砂浜沿いにはマングローブは少ないそうです。
 案内をしてくれたGenaro Cramen Jr.さんは、「一番の問題は砂浜が減ってきていること。海岸が浸食されていることにより、少し前とフィリピンの地図の形が変わってきているんではないか?」と語ってくれました。環境の問題も非常に大きな課題として住民たちに影響を及ぼしています。(頼政良太)

【フィリピン台風30号】救援ニュース No.33

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フィリピン台風30号(Haiyan) 救援ニュース No.33
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 吉椿と上野の2名はネグロス島へ入りました。ネグロス島Manaplaという都市に到着し、知り合いからの紹介で連絡を取っていたTotoさんにお話を聞いています。
 通常、12月から1月までが雨季でまだ明けていないそうです。雨季は波風が激しいため漁が難しく、漁師は仕事ができない時期です。海岸では高潮の被害もあり、居住エリアのすぐ近くまで波が来ています。多くのバンブーハウスが強風によって被害を受けましたが、今は政府の支援によって修復・再建されているものもあります。ネグロス島には非常に多くのサトウキビ畑がありますが、被害は受けておらずサトウキビは台風に強いことが分かります。米は収穫前であったために被害を受けてしまいました。通常、米は年に3回、サトウキビは年に1回の収穫が出来ますが、Manaplaでは、あまり米は作られていないそうです。
 Manaplaのバランガイ・プンタサロンでは、人口4000人ほどでほとんどが漁師の仕事をしています。漁師たちは遠くの海に行く場合、3日間ほどかけて出ていくそうです。この地域では、幸いにも台風によって壊れたボートはないということでした。ただ、元々船を持っていない人が多く、オーナーから船を借りている人が多いそうです。レンタル料は収穫の中から高価なエビなどをオーナーに渡すことで支払になるので、収穫によってはオーナーの取り分が少ない場合やゼロになる場合もあります。
 今は、家の再建を進めるためにどうするかということで悩んでいます。雨季で漁に出る機会が少ないため金銭的に厳しい状況です。また、ボートを所有していれば毎日漁に出ることもできるしオーナーに収穫を渡さなくても良いので、ボートが必要だとおっしゃっていました。魚が獲れない→収入が無い→家を再建できない、という循環に陥っています。もともと貧困の問題を抱えており、ぎりぎりのラインで生活していた人たちのバランスが台風によって壊され、なかなか立ち直ることが出来なくなっているのが現状です。(頼政良太)

【フィリピン台風30号】救援ニュース No.32

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フィリピン台風30号(Haiyan) 救援ニュース No.32
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 吉椿と上野は引き続き、セブ島の被災地を視察している。この日はセブ島北部のBOGOやSAN REMIGIOに向かいました。
 バランガイPolambatoは1000世帯、1800人(18歳以上)が住んでいて、バランガイは7つの地区(Sitio)に分かれています。この地区にもタクロバンほどではありませんが、高潮の被害がありました。高潮による人的被害はなかったのですが、ボートなどは守れず生活手段を失ってしまったそうです。また、ボートだけでなくフィッシュゲージと呼ばれる魚を捕まえる網が壊れてしまい、中にいた魚が逃げてしまったそうです。この地区では17人がボートや漁網を失い、66人のボートが損壊しています。
バンタヤン島の漁村のボート.JPG
▲バンタヤン島の漁村のボート
 フィリピンの地方では、女性や子どもが教育を受ける機会が少なく、DVや虐待などの問題も多いと言われています。彼ら彼女らがより高収入の仕事に就く機会が奪われている状態です。ABAG!のNGOはそのような女性や子供が、権利について学ぶ機会などを提供しています。
 SAN REMIGIOのバランガイ・ミーヤンは人口約1700人(子どもを含めると約3700人)で6つのSitioに別れています。漁師のほかにはココナッツを運ぶなどの仕事やトウモロコシを作っている農家の方もいます。女性はパンダンという植物の葉を使ったゴザを創る仕事をしていますが、台風後は付近のパンダンが被害を受けてなくなってしまい、購入しなければならなくなったため、ほとんどただ同然で利益が上がらない状態です。この地域では、ABAG!のNGOによって女性のグループが立ち上げられています。
 SAN REMIGIOのもう一つのバランガイ・Victoriaでは、漁が出来ないため建設現場でセメントを運ぶ仕事をして何とか生活している方もいます。女性の仕事は魚を売ることや子どもの世話など。漁師の仕事は1日100~200ペソだが、台風以降は漁に出られないために収入がなくなってしまったそうです。
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▲バンタヤン島近海の漁の様子
 マニラのロータリークラブがマングローブの植林を行っており、今回の台風でもこのエリアは大きなマングローブの木が家を守ったと言われています。
 吉椿と上野の2名は5日からネグロス島へ移動し、活動をしています。そちらの様子も今後お届けしていこうと思います。(頼政良太)

【フィリピン台風30号】救援ニュース No.31

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フィリピン台風30号(Haiyan) 救援ニュース No.31
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 吉椿と上野はセブ島の北に浮かぶバンタヤン島の被災地に入りました。
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▲バランガイPOOCの漁師たちと
 バランガイPOOCには729世帯が暮らし、その中にあるサンタロサ地区には120世帯、約1000人が暮らしています。この地区の住民のほとんどは漁師だそうですが50隻のボートが被害を受け、まだ修理がされていないボートも残っています。現在は20隻の船が必要だと住民は話しています。また、多くの住宅が強風によって吹き飛ばされ被害を受けています。
 住民たちは台風の後、30,000ペソを借りてローンで家の再建を行っているそうで、週に400ペソを返済しなくてはならず毎日漁に出ているそうです。再建は大工が行いますが、日当200ペソで2週間、合計2800ペソかかります。そういった状況なので、家の再建が出来ない人も多く、支援物資のテントで暮らしていますが、日中はテント内がかなり蒸し暑くなります。(※1ペソ=約2.3円)
 バンタヤン島自体はリゾート地ですが、このサンタロサ地区はその恩恵は受けていません。多くの経営者は島外の人で地元に雇用が生まれておらず、ホテルで使われる魚もこの地区のものは使われていません。いま最も生活手段のために必要なものは、ボートと漁網だと住民は訴えています。
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▲バンタヤン島近海の漁の様子
 バランガイOKOYのセンセイスカルラン地区では、Delfi Escarlan Jr.さんたちがお話をしてくださいました。OKOYは約300世帯、センセイスカルラン地区で約150世帯が暮らしており、ほとんどが漁師さんです。この地区ではすべてのボートが壊れてしまった状態で、住民は仕事が無く支援物資だけでなんとか生活をしています。Delfiさんたちは「ボートがあればまた漁師をしたい、それしかできない」とおっしゃっていました。海外のNGOが支援をしてくれているそうですが、材料だけの支援で作ることが出来ず、また数も7隻分しかなく十分には足りていないようです。
 今はお金がなく仕事もない状況なので、NGOが行っているガレキの片づけの仕事で何とかお金を稼いでおり、仕事が選べず悪循環に陥っています。
BOGOの漁村壊れたボート.JPG
▲壊れてしまったボート
バンタヤン島の船大工.JPG
▲バンタヤン島の船大工
 先日のレポートで紹介したABAG!のNGOたちは、住民たちとしっかりした信頼関係を築いており、こうしたNGOを通じることでよりきめ細やかな支援が十分に行えると思います。2人は今後もABAG!のNGOと共に活動現場の視察を行い、その後ネグロス島へ移動する予定です。(頼政良太)

【フィリピン台風30号】救援ニュース No.30

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フィリピン台風30号(Haiyan) 救援ニュース No.30
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 吉椿と上野の2人は引き続き、セブ島現地のNGOでフェアトレードを行っているSTFTCという団体やNGOネットワークであるABAG!Central Visayas、漁業の支援などを行うFisherfolks Development Center(FIDEC)などのヒアリングを行いました。
 
 SPFTCはセブ島唯一のフェアトレードショップであり、神戸大学国際協力NGO PEPUPとも交流があります。特に農業、子ども、女性、貧困層への支援が得意分野だそうですが、今回の台風では今まで取り組んでいなかったメディカル分野などの支援も行っているそうです。女性のコーポラティブ「guin wamon Women’s cooperative」への支援を台風前から行っているそうですが、今回の台風で地域の98%が被災し、サーディンの瓶詰などが生産できなくなってしまったそうです。現在はコーポラティブの方々で再建に取り掛かっているとのことです。
 ABAG!はセブ島で活動する10のNGOが加盟しているネットワーク組織で、加盟団体間で情報やデータ、カウンターパートの共有などを行っています。一か所に支援が集中しないように団体の得意分野を踏まえた調整が行われています。SPFTCやFIDECもABAG!の加盟団体であり、例えば漁業分野だとFIDECがリーダーとなってプロジェクトを進め、それを他の加盟団体が手伝うという形で支援活動が行われています。ABAG!自体は運営資金や口座を持たない緩やかなネットワークであり、必要な時に必要な連携が取られているように感じます。ある意味で理想的なネットワークの形態かもしれません。
 FIDECは漁業支援を行っているNGOです。セブ島にはPANAMAと呼ばれる漁師のAssociation(協会)があり、FIDECはこちらの協会と協力しながら支援を進めているようです。PANAMAを構成する各地の漁師の協会と話し合い、適切な支援の場所と規模を決定しています。漁業の支援は未だ行き届いておらず、バンタヤン島のサンタフェという地区は船の支援が無く、現在は支援の調整をしている段階だと言います。また、支援する船の数が足りなくても、住民でローテーションを組み船のシェアをすることは可能だそうです。
 2人は今後、セブ北部の被災地に入り直接調査を行う予定です。また、その後はネグロス島へ移動し調査を行う予定です。(頼政良太)

【フィリピン台風30号】救援ニュース No.29

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フィリピン台風30号(Haiyan) 救援ニュース No.29
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 吉椿と上野の2名はセブ島に入り、現地NGOやセブYMCAへのヒアリングを開始しています。セブYMCAは前回のフィリピン派遣時にも訪問していますが、今回はより詳しい話を聞いています。
 セブYMCAではセブ島最北端のバランガイMAYAの支援を行っているそうです。主に山村の学校の再建支援を行っていて一部の教室はセブYMCAが、別の部分は他の支援団体が再建支援を行うという形になっています。そういった支援の割り振りは校長先生が取り仕切りながら行っているようです。小学校の生徒の中には、親がバランガイの役員をしているという子もいるようです。
 MAYAの人々の多くは、元々漁業に携わっている方が多く、4つのFisherman’s Associationという漁師の協会があり、助け合いをしているそうです。しかし、現在の漁村は、船が被害を受けてしまったために、浅瀬で小魚を獲り魚の乾物をパッキングしたものを売り、生計を立てている状態だそうです。セブ島のすぐ北側にあるバンタヤン島のポーという地区では船の全壊が359隻、一部損壊が300隻という大きな被害を受けました。まだまだ支援の手は行き届いていないようです。
 また、農業も11月が収穫期である米や野菜がダメになり、かなり被害が大きい状況です。
 被災地では①住宅(シェルター)の問題、②生計の問題、③食糧の問題、④学校の問題など多くの課題が残っています。
 吉椿と上野の2名は引き続き現地NGOへのヒアリングを続け、今後は支援活動の現場にも同行する予定になっています。(頼政良太)

【フィリピン台風30号】救援ニュース No.28

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フィリピン台風30号(Haiyan) 救援ニュース No.28
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30日朝からスタッフの第二次派遣を行うことが決まりました。事務局長の吉椿と前回も派遣した上野の2名でフィリピンに向かいます。ひとまずセブ島に飛び、現地NGOネットワークとの情報交換・現地視察等をしながら今後のプロジェクトに向けた調整をする予定です。今回の訪問するNGOネットワークは神戸大学国際協力NGO PEPUPから紹介していただき、連絡を取っています。
台風30号(Haiyan)がフィリピンを襲ってから2か月以上が経過しました。現地では電気は復旧に向かいつつあるという情報が流れています。しかし、一方で大きな被害を受けた農業や漁業といった生業の大部分は未だ再建の見通しがたっていない状況です。
各バランガイ(フィリピンの最少行政区)ごとに建設されているバランガイホールなどの公共施設の再建も、政府への申請の手続きに時間がかかり先行きが不透明です。また、現地に詳しいマニラ新聞の記者に話を聞いたところ、「2か月がたち全体的な状況は落ち着いてきたが、やはり離島など支援の網の目からこぼれているところはある」とおっしゃっていました。被害の最も大きかったレイテ島に多くの支援が集中しており、その他の地域も支援が入ってはいるのですが、充分に行き届いている状況ではないようです。
今回、現地NGOと連携をとりながら漁業の支援、もしくはコミュニティの拠点や避難所となるような建物の支援、現地NGOネットワークへの支援などについて、詳細の打ち合わせなどを行い、決定していきます。現地での様子や情報は随時レポートとして発信させていただきます。
これからも皆様のご支援・ご協力をどうぞよろしくお願い致します。

【フィリピン台風30号】救援ニュース No.27

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フィリピン台風30号(Haiyan) 救援ニュース No.27
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『台風に備えて』
 私が第1次派遣隊としてセブ島北部、パナイ島を調査した10日間の中で、「台風が来ることは知っていたため、事前の備えをしていた。」という言葉がよく聞かれた。台風30号(Haiyan)は上陸前から「スーパータイフーン(勢力の強い台風)」として警戒されており、政府も万全の対策をもって台風の上陸に備えていた。例えばパナイ島北部のカリボ市では上陸の2日以上前から避難勧告が出ていた。
 しかし、「避難勧告は出ていたが、まだ風が強くなかったので避難しなかった。」とロハス市でスクラップを転売して生計を立てる女性は言っている。彼女は避難勧告が早すぎて危機を感じなかったために避難せず、台風が来る頃には家から出られなくなってしまった。
 セブ北部やパナイ島北部の町を見てみると特に防災無線のようなものは無く、行政職員がメガホンで避難を呼びかけるだけだったという。フィリピンで一番小さい行政単位であるバランガイでも、だいたい1500人から3000人の人口を抱えるため、呼びかけてまわるだけでは聞こえていない人もいるはずだ。
 住民も台風が来るとわかって家屋の屋根や壁をロープで固定して、風に飛ばされないようにするなどの対策をしていたが、結果的にはこの対策はあまり意味がなかったとカリボ市の住民は述べている。しかし決して台風を甘く見ていたわけではなく、彼らができる最大限の台風への備えをしたのだろう。台風に備えようとする意識を今回の台風以前から持っていると感じた。だからこそ、その気持ちを最大限に活かした備えができなかったことがもったいない。
 フィリピンにはお互いに助け合おうとする「バヤニハン」という考えがある。これは防災対策を学べば近隣住民で共有し合い、非常時にはお互いに避難や対策を呼び掛け合い、ともに備えにあたる土壌となる。もし避難場所である学校が今回の台風に耐えることができれば、もし防災無線での避難指示ができれば、もし風に強い家屋の補強ができていればと非常に強く感じた。(上野智彦)