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第 3 次パキスタン訪問日記No.12

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<パワフルな女性たち>
ワード13に住む女性たち30人と懇談をした。窓のない小さな部屋に30人だから、ある種異様な空気だ。部屋には窓が無く、入り口に業務用の大型扇風機が一台廻っている。この懇談会は、CBOの代表はじめ男性は一人も入らずに始まった。正確には私一人だけが男性である。最初に神戸から来たことを伝え、あいさつをし、「今どんなことに困っているのか?」聞かせて欲しいと投げかけると、口々にしゃべり出した。言葉は全く分からないけれど、恥ずかしがり屋、気の強そうな人、リーダー的な存在、ゆったりとしているが大事なことをいう人など顔見ていたら大体分かる。
前の方にいた若い女性が「結局どんな支援をしてくれるのか?これまで何人もがこうして要望だけを聴いて、通り過ぎて行った」といきなり厳しい発言も。最も多いのは、「今のテントでは、冬を越せない。夏・冬兼用のシェルターが欲しい」という声だ。切々と訴えられるというより、何か詰め寄られているような雰囲気だ。同行した女性スタッフに、「何か聞きたいことある?」とふった。さすがNGOのメンバーだと思う。女性にしか分からない悩みを引き出していた。しかし、あれから10か月も経ち、しかもボロボロになったテントで生活していることを考えるともう人間としての生活を維持するには限界で、興奮するのは理解できる。しかし、だんだん話していると、厳しい顔が笑顔になり、パワフルな女性の顔が表れる。神戸から担いできた「まけないぞう」という阪神・淡路大震災の被災者が創っているハンドクラフトを配る。
一人の年輩の女性が静かに語る。「地震前までは、この地は平和で、安心な街だった。しかし地震後は何か不安がつきまとう。子どもや女性のために、あの平和な街に戻って欲しい」と。災害後からの復興というのは、やはり新しい市民社会を築くことに尽きる。だから仮設市街地構想の実現にも大きな意義がある。そしてその社会を創造する過程で、平和で、安全で、安心な街の要素が生まれると確信する。