つぶやきレポート「パキスタン被災地の今」  Scene.22

 カリアバードから更に山奥へと谷沿いの道を車で走らせる。両側の急斜面には家が点在する。同じような景色がどこまでも続く。「どうしてこんな山の斜面に暮らしているのだろう」とつい思ってしまう。山の方が生活費が安いからだという話も聞くが、きっとそこに住むには何かしらの理由があるに違いない。
 カリアバードから数十分の所のラムニアン村に立ち寄ってみた。約900世帯、4500人が暮らしている。地震前、村で小さなレストランを経営していたManzoorさん(54歳)は、現在は全壊したレストランから引っ張り出した木材を使って小屋を建て、ささやかな商店を営んでいる。また一ヶ月後には同じようにガレキの中から拾い集めた資材を使って仮設の家を建てたそうだ。7000RS(約1万4000円)かかったという。お金がないのでまた仮設のレストランを建てるしかないとつぶやいていた。
 彼が言うには、政府は現在、被災者が恒久的な住宅を建てる事にストップをかけているらしい。それは政府の推奨する耐震工法の普及の為なのかは不明ではあるが、、、被災者の人にしてみてもその工法を採用するとお金がおりるという状況もある。村には、アフガンのジルガのような自治組織もあるようだが、基本的には政府の言うことに従うという。
 「従う」という表現を使っていたが、それはどうゆう意味を含んでいるのかは分からないが、この山の奥の小さな村のたった一人の被災者の声の届く復興政策であってほしい。
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