つぶやきレポート「パキスタン被災地の今」  Scene.19

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【写真】パキスタンの警察所
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【写真】倒壊した建物を再建中

 久しぶりにバラコットに戻った。
パキスタン政府の発表では、3月31日に全テント村を閉鎖するとなっているが、あと数日でこれだけの規模のテント村が、綺麗になくなるとはとても思えない。
街の中心では、地震によりことごとく倒壊した公共機関(病院、警察、役所、郵便局など)の建物がいち早く再建されている。また、個人レベルでの再建もかなり進んでおり、ちょっとした建設ラッシュだ。だが、それは、一部の自己再建できる力のあるもののみだ。中心を流れる川の東側のガラット村でも仮の住まいを地震前と同じような細い木枠に日干しレンガを積み上げた形の家屋を建てている姿も目につく。
 久々にムニールさんにお会いした。
毎回、何をしてあげている訳でもないのに出会いをとても喜んでくれる。最近は、親しい者同士がやるハグをしてから握手をする挨拶に変わってきた。僕の持ってきた手土産のカシミールクッキーを周りの友達、弟に「 ほら見ろ!ブラザーのYOSHIが土産を持ってきたぞ!」と恥ずかしいくらいに紹介してくれる。今日は、無くなった弟さんの息子ネビーアくん(1歳7ヶ月)が遊びに来ていた。彼はこの幼さで両親を亡くしている。その現実を理解しているのか、いないのか、ムニールさんの生き残ったもう一人の弟さんの後をずっと「おじさん、おじさん」とくっついてまわる。ムニールさんが、「この子は天涯孤独」だ」と何度も言っていた。でも、ネビーア君が寂しくないよう、きっとムニールさん達、が皆で面倒を見ていくに違いない。ムニールさんの周りにはいつも人がいるが、女性の姿を見ない。こんなところで女性の被害が大きかった事に気付かされる。
 ムニールさんのテント小学校に行くと、そこではユニオンカウンシル(村のひとつ上の行政単位)の人々がガラット村の被災状況(被災者数、家族、被災家屋など)を調査していて、登録手続きをしていた。行政による「公助」と「自助、共助」がうまくかみあっているのだろうか、ふと疑問が頭をよぎった。
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