ネパール地震救援ニュース No.48

「村に戻る若者」

 先日放送された「プロフェッショナル仕事の流儀」にも登場したニマ・シェルパさん(25歳)は、CODEの復興支援プロジェクトをきっかけにカトマンズの家を引き払い、荷物全部をまとめて故郷グデル村に戻ってきました。

ニマさんは、グデル村シャーレ集落で生まれ育ちました。19歳で村を出て首都カトマンズに暮らし始めました。村にいても現金収入となる仕事はなく、都会のきらびやかな生活に憧れたと本人は語っています。カトマンズに出ても簡単に仕事は見つからず、転々としている中でヨーロッパのNGOの支援で家具の職業訓練学校に2年通い、その後家具職人として働きながら指導もしていたそうです。地震後、同じ集落のラクパ・シェルパさん(CODEのカウンターパートのグデルシェルパコミュニティのシニアアドバイザー)と再会し、CODEの耐震住宅再建プロジェクトに参加する事を決めました。この耐震工法に最も必要な木材バンドの加工は彼の技術なしでは成り立ちません。年上のベテラン大工、石工さんたちから彼の技術は評価され、一目置かれる存在になっています。

最初は耐震にそれほど興味を持っていた訳ではないニマさんですが、自分の持っている技術が人の役にたつ事、自分の役割、やりがいに気づき、これから村で生きていこうと思ったのです。

ネパールでは日本同様に農山村の若者たちは仕事を求めてカトマンズへと出て行きます。中東など海外へと出稼ぎに行く人は約300万人以上(人口の1割以上)と言われています。ニマさんのように震災を機に村に戻る若者が増えていくためには農山村での仕事が重要になります。シェルパの若者たちは、「カトマンズは、空気は悪いし、ご飯はおいしくない。仕事があれば村にいたい。」と語っています。

CODEは、耐震住宅再建プロジェクトを通じて技術を学んだ大工、石工さんたちや農業に携わる多くの住民の人たちが今後も村で暮らしていけるような支援を考えていきたいと思います。
(吉椿雅道)

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ネパール地震救援ニュース No.47

「あなた達のために祈っています。」

 グデル村の中心部、グデルから南に山道を約2時間歩くと標高2800mのShareという集落に着きます。CODEのカウンターパートのラクパ・シェルパさんの故郷です。約130人(22世帯)のシェルパ族が自給自足に近い暮らしを営んでいます。この地震で多くの家屋が被害を受け、CODEのプロジェクトでは、このShareで14軒の住宅再建を行います。

 この集落に住むPさん(80歳女性)は、約50年前に建てた自宅が倒壊しました。Pさんたち高齢者は、地震後グデルシェルパコミュニティのサポートでヘリコプターを使ってカトマンズの息子のところへ避難し、最近このShareに戻ってきました。昨年夏にPさんにカトマンズでお会いした時に、「カトマンズは空気も食べ物も悪くて調子が悪い」とこぼしていました。「村の自慢は何ですか?」という僕の問いかけに対して、「自慢することはない。子供も孫もいなくなって、昔のように村に活気がなくなって寂しい。」と語っていました。

今回、半年ぶりに再会したPさんに同じ質問をしてみると、どこか嬉しそうに3つの自慢を教えてくれました。1つ目は、頼りになる家族親せきがいること。2つ目は、(シェルパ族の信仰する)仏教などの文化があること、3つ目は、生まれ育った故郷だと教えてくれました。

Pさんは、倒壊した自宅から仏具を運んできて、今、住んでいる仮設の小屋の隅に仏壇を作って毎朝、祈りをささげています。Pさんは、CODEの住宅再建をとても喜んでおられ、「私は、歳で再建のお手伝いは何もできませんが、CODEやCODEを支援してくれている日本の皆さんのために毎日祈っています。」と合掌して語ってくれました。Pさんは高齢者であっても地域の中で自分の役割を全うし、それを知っている住民の人たちからの尊敬を集めています。いずれグデル村に観光客が訪れた時、Pさんは「語り部」としてシェルパの暮らしやチベット仏教や文化を語ってくれるでしょう。(吉椿雅道)

*このPさんは、NHK「プロフェッショナル」に登場する予定です。

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              Pさん               仮設の小屋に作った仏壇

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ネパール地震救援ニュース No.46

「カトマンズで耐震ワークショップを開催しました。」

 グデル村で行っている耐震住宅再建プロジェクトに関心を持たれた方から複数問い合わせをいただいています。ネパールとつながる日本の団体の方々が、山間部の資材を使った耐震住宅(学校)の再建の工法を学びたいとの要望がありました。また、CODEとしてもグデル村での耐震住宅再建プロジェクトでの学びを他の地域にも伝えたいとの思いから、「耐震ワークショップ」を2月7日にカトマンズ市内ボダナートでグデルシェルパコミュニティー(GSC)と共同で開催しました。GSCのメンバー、バクタプルで住宅再建を考えている大工さんやエンジニア(クワパエンジニアリング大学の学生など)、GSCと同じソルクンブ郡のパタンジェ村の被災者の方々など26名が参加し、熱い議論を交わされました。

 ワークショップは、まずCODEのこのプロジェクトの概要説明を行い、その後、ネパールの建築の専門家による今回の耐震工法のポイントの説明、GSCの現場責任者ダワさん、シニアアドバイザーであるラクパさんからの報告などを現場の写真と動画を使って行いました。

 その後の参加者の質疑応答では、「基礎はどのくらい掘るのか?」、「竹の込み栓(くぎ)の方が強い!」、「壁の角の石は重くしない方がいい」などバクタプルの大工さんからも様々な意見も出され、ラクパさんもまるで専門家のように熱く語っていました。ネパールの人たちが非常に熱心に意見を交わす姿を見て、まさに学び合いの第一歩だと感じました。ネパールでは、この震災をきっかけに今、専門家だけでなく被災した普通の人たち自身が、家や暮らしを見直し始めています。(吉椿雅道)

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ネパール地震救援ニュース No.45

「耐震住宅再建プロジェクトの近況」

CODEがプロジェクトを行っているソルクンブ郡グデル村を先日、訪問してきました。エベレスト街道の起点になるルクラから登山で3日の行程を歩く予定でしたが、世界的な寒波の影響か雪に見舞われ、カウンターパートのグデルシェルパコミュニティ(GSC)のシニアアドバイザーのラクパ・シェルパさん(プロの登山ガイド)も危険だと判断し、急きょヘリコプターを要請し、グデル村へと入りました。

 グデル村は人口約3500人(約700世帯)の村で、標高2000m~3500mの山にシェルパ族、ライ族、タマン族が暮らしています。村のほとんどの方がジャガイモ、トウモロコシなどの高地作物を栽培する農業に従事しており、自給自足に近い暮らしを営んでいます。

現在、CODEはこのグデル村でGSCと行っている「耐震住宅再建プロジェクト」としてモデルハウスを建設しています。現地で調達できる石、泥、木、竹などの資材を使った耐震住宅の建設に12~14名の大工さん、石工さん達が日々、力を注いでいます。石の積み方、粘りのある泥、木造バンドによる補強など一つひとつをクワパエンジニアリング大学の専門家のレクチャーを受けながら、すべて手作業で丁寧に行っています。このモデルハウスは完成後、村の医療施設として活用されますが、このプロジェクトでは、建物を建てること以上に大工さん、石工さん達がしっかりと耐震の技術を学ぶことに重きを置いています。技術を身に着け、地元の資材を使って自分で安心・安全な家を再建する事は、彼ら自身の力になり、自信や誇りにもつながっていくと思います。今後、この大工、石工さん達が学んだ技術を他の地域にも伝え、持続可能な耐震住宅の再建に力を注いでくれる事を期待しています。モデルハウスは2月下旬頃に完成予定で、その後26棟の一般住宅の再建に入ります。

カトマンズで働いていた若い大工、ニマさん(25歳)は、「学んだ技術を故郷の村の人のために活かしたい」と、このプロジェクトをきっかけに今後、村に戻る事を決断しました。人が真剣に学び、未来を語る姿に心を奮い立たされました。(吉椿雅道)

 モデルハウスの建設状況専門家によるレクチャー
モデルハウスの建設状況                                                 専門家によるレクチャー

若い大工、ニマさん
若い大工、ニマさん

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ネパール地震救援ニュースNo.44

「変わっていくグデル村とモデルハウス建設」

 1月5日~16日に行ったネパール第3次派遣ではモデルハウス作りを実施しているグデル村を訪れました。車で12時間、さらに歩いて2日かけてたどり着いたグデル村は都市のような排ガスの臭いもなく空気が美味しい段々畑の斜面にあるのどかな田舎の村でした。先に村に入っていた京都建築専門学校の山本耕資さんとともにモデルハウスの視察や村の大工さんとの話し合い、ネパールー日本の技術交流などを行いました。

 村の大工さんはモデルハウスを通じて技術を学ぶことに非常に貪欲で、カトマンズの建築専門家が村に到着するのが遅れた際にも「専門家からのレクチャーはいつから始まるんだい?」と新しい技術や建築方法を学ぶのを非常に楽しみにしている様子でした。今回、モデルハウス作りについて大工さんや村のコミュニティの方々と話し合いをする中で屋根の材料について話す機会が何度かありました。村では伝統的に木と竹を使った屋根が用いられてきました。しかしここ数年で他地域から運び入れたトタン材が普及したことで、特にグデル村中心地ではほとんどの家がトタン屋根に変わっていきました。水はけが良く、耐久性に優れた鉄製の屋根は確かに村の生活においては便利なものですが、一方で伝統的な木と竹の屋根の家は次々と減っていっています。木と竹の屋根は確かに頻繁に手入れが必要ですが、しっかりと軒先が揃えられた木製屋根は美しく、また村の中で手に入る材料で作ることができます。村にトタン屋根が増えていく中でモデルハウスもトタン屋根にすればという意見もありました。しかし、トタン屋根以外の選択肢を未来へ残していくという意味でもモデルハウスにはより耐久性に優れた木と竹の屋根作りに挑戦していくことに村の住民の方々も同意してくれました。

 便利なだけではない。ただ地震に強いだけではない。村が持つ魅力的な文化を大事にしながら、村の生態系を守る村の中で循環する家づくりを考える。グデル村の住民とカトマンズの専門家、CODEがともに行うモデルハウス作りを通じてネパールと日本の両国が学んでいきます。
(上野智彦)

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グデル村のようす、青いトタン屋根の家が増えている

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ネパール地震救援ニュースNo.43

「ネパール-日本の大工による技術交流 その2」
CODEは山間部のソルクンブ郡グデル村での耐震の住宅再建プロジェクトを実施しています。このプロジェクトを通じてグデル村で手に入れることができる資材を使った耐震技術を現地住民、大工が学びます。
昨年12月末から1月中旬まで、京都建築専門学校で大工技術を学ぶ山本耕資さんがグデル村を訪れ、モデルハウスの基礎作りや建材加工に参加しました。
引き続き、現地を訪れた際の山本さんの感想をお送りします。
「グデル村現地レポート2(1月16日)」
今回のプロジェクトに参加させていただき、とても勉強になりました。
グデル村の方たちの石を削り、整える技術はもちろんすごく、木を使用したSAFETYや柱、梁の継ぎ手は、ほとんど日本と変わりませんでした。私は、こちらに来るまでネパールには、継ぎ手があまり存在しないと思っていたのですが、逆に驚かされました。ただ、その技術が、各村までは伝わってなかったということも知りました。
 私は、日本の土壁の技術を教えて欲しいと頼まれました。正直、教えるには時間が無く、ましてや、その道のプロフェッショナルではないので不安はありました。実際にサンプルとして、竹小舞のミニチュアとそれに塗るための土(土+水、土+水+松の葉、土+水+みつまたの3種類)。そして、日本の住宅で使う継ぎ手(腰掛蟻、腰掛鎌継ぎ、金輪継ぎ(この継ぎ手は絵のみ)、渡りあご、地獄蟻)を4つつくりました。継ぎ手に関しては、皆さんにvery niceと言ってもらい良かったです。土に関していえば、本来の工程と違った点があるのであまりうまくいかなかったかと思います。しかし、その3種類の土に多少の違いが表れていました。土に水だけを足したものよりも、それに何か植物を混ぜた方が、土の粘性が上がりクラックが入りにくいということ。その違いを彼らも実際に触り感じてくれました。私は、その体験で十分に思いましたが、グデル村に家を建てるなかで時間はかかりますが、粘性を上げた土を使用していただくと幸いです。また、その結果、家の補強やグデル村の方、ネパールの方の笑顔につながると嬉しく思います。
 このような機会をつくっていただきありがとうございました。
(山本耕資)
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ネパール地震救援ニュース No.42

「ネパール-日本の大工による技術交流」

CODEは山間部のソルクンブ郡グデル村での耐震の住宅再建プロジェクト
を実施しています。このプロジェクトを通じてグデル村で手に入れるこ
とができる資材を使った耐震技術を現地住民、大工が学びます。既にカ
トマンズの建築専門家を村に招いて行うモデルハウス作りがスタートし、
2月に予定しているモデルハウス完成までの間、毎日レクチャーを受けて
います。
昨年12月末から1月中旬まで、京都建築専門学校で大工技術を学ぶ山本耕
資さんがグデル村を訪れ、モデルハウスの基礎作りや建材加工に参加し
ました。その中で日本の住宅で使う継ぎ手や竹小舞などを伝え、また山本
さん自身もネパールの家屋や大工の技術を学ぶ日本とネパールの技術交流
を行いました。

現地を訪れた際の山本さんの感想をお送りします。

「グデル村現地レポート1(1月9日)」

グデル村に滞在し、2週間ほどが経ちます。彼らと私は、言葉が通じない
ですが、とても優しいです。グデルの人達は、やはり太陽とともに生活し
ているのでしょうか。朝は6~7時に起き、夜は概ね9時に寝ます。

 しかし、家の向きに注目すると、私は矛盾を感じました。それは、太陽
の昇る南側に窓を取らないということです。日本であれば考えにくいです。
グデル村に建つ家は、全て谷側を前向きにしています。それは、景色が良
いからだそうで、窓を取ります。そして、それと反対の壁、すなわち山側
の壁にも窓を取ります。が、彼らはその窓を一度も開けないそうです。
全ての家をそう建てているので、もちろん、陽当たりの良い家、悪い家が
存在します。彼らは、採光や暖のことを考えないのでしょうか。そのこと
を不思議に思ったので、聞くと、寒ければ、お酒や温かいものを取ること
で十分だそうです。それでも彼らは、ジャロ、ジャロと口にしています。
*ジャロは、寒いという意味です。(山本耕資)

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モデルハウスづくりの様子

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ネパール地震救援ニュース No.41

「燃料不足に陥るネパール」

「ガソリンが大変なことになってますね。」人に会う度に挨拶のように言われる。皆ガソリン不足の影響が仕事にも出ており愚痴をこぼさずにはいられない。カトマンズではタクシーの料金は通常の4倍、5倍近くにまで上がり、ほとんどのガソリンスタンドは休業状態で、高騰したガソリンは闇市で取り引きされている。自家用車以外ではバス、タクシーくらいしか移動手段がないネパールで今回のガソリン不足は通勤や買い物など普段の生活に大きく影響している。バスの本数が少なくなっているためバス停には人が集まり一台のバスに人が殺到、車中に入りきらない乗客は屋根の上に乗って移動している。ガソリンスタンドが休業しているにも関わらず、店の前には目途も立っていない給油の再会を待つ無人の車が溢れかえり付近の道路の端には列を作っている。特にタクシー、バス、トラックのドライバーは商売道具を失った状態であり、いつになるかわからないガソリンの再販売を今から待ちわびている。

今回の問題は移動だけではなく食事にも影響している。ガソリンと同時にLPガス不足も深刻になっており、メニューの制限や休業するお店が非常に多い。中心地まで出てくる人が少ないこともあり、通常は込み合う金曜日の夜でもお店はガラガラだ。燃料がストップした店や家庭では薪を使って火を確保している。しかしグデル村からカトマンズに住む親せきの家に避難してきている女性が「カトマンズは田舎と違い薪を手に入れるのは難しく、カトマンズでの生活が金銭的にも厳しくなっている。今一番大変なのはガスが使えず炊事が十分にできないこと。」と言うように、ガスの不足が避難してきた住民の家計をさらに圧迫している。

少なくなったとはいえ、まだ今はカトマンズ市内に車が走っている。しかし今後、インドからの物流が止まっている状態が続けばネパール国内のガソリンは底を突き、車が全く走れない、料理のための火も全く使えないという状況がすぐそこまで近づいている。ガソリン不足から2カ月が経過しようとしている中で問題解決の糸口が見えないことに住民は先の見えない大きな不安を感じている。
またカトマンズに住む方にとっては地方の被災地の状況よりも身近なガソリンの問題の方が大きな話題となっている。政府はこの問題への対応に追われており、表明している住宅再建のための補償などの被災地支援はまったく進んでいない。政府の補償に頼らざるを得ない地方の住民は家の再建の予定を立てることもできず、今年の冬の再建を諦めて半壊の家に住む被災者もいる。被災地復興の第一歩となるはずの新憲法の問題にネパールの被災地が取り残されている。(上野智彦)

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ネパール地震救援ニュース No.40

「震災から半年の被災地」

 4月25日に発生した地震から半年が経過しました。震災後、最大の懸念であった雨季も明け、本格的な復興の段階に入っていこうとする中でネパールの被災地では、新憲法制定による影響で復興は中断状態にあります。

 この1か月、インドからのガソリン、ガスなどの輸入がストップし、政府はガソリンを節約するためにカトマンズ市内では車輌制限をかけています。当然、被災地支援を行うNGOなどの救援車両にも影響が出ています。また、ネパールの主要産業である観光もこの状態で、空の便の欠航など客足も遠のき、まともに機能していません。

現地に住む日本人Iさんからの情報によると、震災でカトマンズに避難してきている被災者たちが故郷の村に戻っている現象が起きているとのことです。ガソリンも物資も不足、高騰している都市部にいるよりは、多少なりとも土地を耕せば食べていける農山村の方が暮らしやすいという被災者の賢明な判断だと思われます。

都市部では、今回のように政治的にインドとの関係が悪化すれば、即ライフラインに影響が出ます。一方、これまで不便、仕事がないと言われてきた農山村では、都市部のこの状況の中で人が村に帰る事で活気が戻っています。これを機に村で暮らしていける方法を模索していく必要もあるのではないでしょうか。

内陸国ネパールは、日本同様に資源を外国に頼らざるを得ない事情がありますが、この自然災害と政治的混乱(人災)によるエネルギー不足をきっかけにネパール本来が持っていた持続可能な豊かな暮らし方を見直すいい機会のように思えてなりません。

1997年、アジア通貨危機に襲われたタイでは、通貨暴落、失業などにより首都バンコクの多くの住民が農村部に戻りました。貧しい地域といわれるタイ東北部では地元の農民組織によってこれまでの大規模、化学肥料の農業から市場経済に左右されないアグロフォレストリー(複合農業)へと転換しました。これにより農村部に戻る人も増え、地域が再生されました。

CODEは、地元で調達可能な資材で建設する耐震住宅プロジェクトを実施しています。このプロジェクトでは、石や竹だけでなく、木を使った木造耐震住宅も模索しています。森林率25%のネパールで再生可能エネルギーである木を使い、植え、管理していく循環型の暮らしを現地の方々と考えていきます。ネパールもこの二重の危機をチャンスにする発想の転換が求められています。(吉椿雅道)

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ネパール地震救援ニュース No.39

「混沌としたネパールの被災地」

ネパール地震から5か月を経た被災地が今、混沌としています。
240年続いた王制から2008年に連邦共和制に移行してから未制定状態にあった憲法の草案が先日、発表されました。発表されるとネパール南部のインド系住民の「マデシ」から猛反発が起き、デモ隊と警察が衝突で約40人の死者が出ています。

 新憲法の7つの州の区分が、マデシなどの人たちにとって民族を分断することになると西部や南部で激しい抗議活動が発生しており、南部に住むマデシの人たちは国境を挟むインドとのつながりが強く、この抗議の影響でインドとネパールの国境が封鎖され、インドからの物流が停まっています。(インドによる実質的な圧力か。)
 ガソリン、生活用品など多くの物をインドからの輸入に依存している内陸国ネパールですが、現在、カトマンズではガソリン不足のため、スタンドには長蛇の列ができ、購入できるガソリンにも限りがあり、政府は、車両台数に制限をかけ始めているようです。地震からの復興のために国際社会からの信頼を得ようと優先したはずの新憲法の制定が、まったく逆の状況に陥っています。国家復興庁の長官も「憲法よりもまず復興に集中した方がよかった」と語っています。間もなく乾季に入り、本格的な住宅再建が始まろうとしているネパールの被災地において、この状況は復興に尽力する国際機関、NGOにとっても大きな影響を受けますが、この政治の混乱によって最も影響を受けるのは地震によって多くのものを失った被災者たちです。政府がまずは復興に力を注ぐことを願うばかりです。(吉椿雅道)



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