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ネパール地震救援ニュース No.24

「身土不二」

 ネパールの被災地での10日間の調査を終え、今朝、帰国しました。この
ネパール地震をきっかけに様々なご縁と出会いがありました。現地ネパー
ルのNGOのMさんたち、現地で伝統音楽を演奏、指導するIさんとパートナー
のVさん、ネパールに嫁いでご主人と共に農に励むTさんご夫妻、ネパール
で東西医学を併用したクリニックを開設しているYさん(黒田裕子さんの恩
師)、日本で働くシェルパ族のLさん、ネワールの伝統建築を保存・修復さ
れているRさん、皆さんがそれぞれにこの地震によるネパールの人たちを案
じ、それぞれに出来ることをやられていました。

 被災地のKavre郡の山間地で40年農業をやられているTさんご夫妻のネパー
ルでの暮らしをお聞きしている中で「身土不二」という言葉が頭の中に浮か
びました。身体と大地はひとつという意味ですが、その土地でできた野菜や
薬草を、その季節に合わせて食べるのが最も体によいという食養生などに用
いられる考え方です。僕自身も東洋医学を学んでいる時、熊本の菊池養生園
の竹熊宜孝先生が「身土不二」という言葉をよく使われていました。これは
農や医だけではなく、先述の方々のように音楽や建築、民族などにも共通す
るように思います。ある建築家が「その土地で採れた材料を使って、その土
地の技術で作られた建物は、たとえ貧しく見えようとも美しい」と語ったよ
うに、その土地の風土が長い間かけて生み出した暮らしや文化は、その土地
の人や風景になじむはずです。

 このネパール地震ではバクタプルや農山村の各地でのレンガの組積造の住
宅が多く被害を受けました。今後、住宅再建の際には「レンガは危ない、コ
ンクリートの住宅を」となっていくと思われます。建築家Rさんは地震後、バ
クタプルでは伝統建築を捨て、コンクリートで再建をする傾向があることを
指摘しています。ネワールの伝統様式の街並みや急峻な赤土と緑の山村に真
新しいコンクリートは風景になじむとは思えません。日本同様、災害の多い
ネパールでは今後、その土地の文化を尊重すると同時に如何に命を守るかが
問われています。

 現在、ネパールでは多くの若者が自らの民族の言葉を嫌い、仕事を求めて
首都や海外へと出稼ぎに行っているそうです。この地震を機にネパールの人
たち自身が自らの暮らしや文化を見つめ直し、自国の誇りを取り戻すような
支援が求められています。(吉椿)


※6月1日には報告会をさせていただきますので、ぜひお越しください。
http://code-jp.org/blog/nepal-earthquake/2015/05/07/%E3%80%90%E3%83%8D%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%AB%E5%9C%B0%E9%9C%87%E8%A2%AB%E7%81%BD%E5%9C%B0%E6%94%AF%E6%8F%B4%E3%80%9161%EF%BC%88%E6%9C%88%EF%BC%89%E5%A0%B1%E5%91%8A%E4%BC%9A%E3%82%92%E9%96%8B/

ご支援よろしくお願いします。
☆救援募金にご協力下さい 郵便振替:00930-0-330579 加入者名:CODE
*通信欄に支援先を明記してください。(例:「ネパール地震」)
*募金全体の25%を上限として事務局運営・管理費に充てさせていただきます。
*クレジットカードをご利用の方はホームページ(下記)からご寄付いただけます。
http://www.code-jp.org/cooperation/index.html
*クレジットカード決済ページ備考欄に支援先(例:ネパール地震)と明記してください。

ネパール地震救援ニュースNo.23

※複数のMLに配信しておりますので、重複はご容赦ください。

CODE海外災害援助市民センターです。

吉椿と上野は明日の朝、日本に帰国予定です。
二人は被害の大きかったバクタプルの伝統建築家の方にヒアリングを行っています。
彼の家もバクタプルにある伝統建築だそうですが、まったく被害を受けていなかったようです。
ラビンドラさんの自宅
<現地レポート11>「ネワール伝統建築」
ネパールの13世紀から15世紀までの三王国時代の都であったバクタプル(世界遺産)はネワール族の古き町並みを雰囲気を残していましたが、この地震で大きな被害を受けました。赤レンガと木製の出窓の彫刻、意匠がほどこされた独特のネワール建築の住宅群の中に住むひとりの建築家がいます。Rさんはドイツで建築を学び、ネワールの伝統建築の保存に尽力されている方です。Rさんのご自宅はネワールの伝統建築でできた175年の住宅で、この地震ではヒビのひとつも入っていません。被害を受けた他の住宅とどこが違うのかと尋ねると、あっさり「手を入れてないからだ。」と答えました。彼が言うには、多くのネワール住宅は100年を超えているそうで、これまでの小さな地震で少しずつずれが生じているので、時々手を入れなくてはいけないといいます。Rさんがこれまでに修復、改修してきた住宅はこの地震の被害を受けていないそうです。中国四川の伝統木造建築の写真をお見せすると、非常に興味深そうに「礎石の上に柱を乗せているだけなのか?」と、1インチほど礎石の中に柱が入っているネワール建築との違いを一瞬で見抜いていました。偶然にも今日は四川地震の日でした。

礎石の中に柱が
Rさんの自宅の玄関にもダルマシャーラと呼ばれる木造軸組み構造のベランダがあります。もともと、これは旅人や巡礼者の休憩、宿泊所で、今は地元の人の憩いの場になっていて、震災後、ここで寝泊まりする人もいます。ダルマシャーラを見ながら「これがすべてを表している。」とネワール建築の耐震性を語るRさんの姿は誇りに満ち溢れていました。(吉椿)

ラビンドラさんと
※6月1日には報告会をさせていただきますので、ぜひお越しください。
http://code-jp.org/blog/nepal-earthquake/2015/05/07/%E3%80%90%E3%83%8D%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%AB%E5%9C%B0%E9%9C%87%E8%A2%AB%E7%81%BD%E5%9C%B0%E6%94%AF%E6%8F%B4%E3%80%9161%EF%BC%88%E6%9C%88%EF%BC%89%E5%A0%B1%E5%91%8A%E4%BC%9A%E3%82%92%E9%96%8B/

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ネパール地震救援ニュース臨時号

CODE海外災害援助市民センターです。

昨日、大きな余震がネパールで発生しました。

当センターから現地入りしておりました吉椿、上野の二人は怪我なく無事です。
二人から余震の様子のレポートが入りましたので、お送りします。

<現地レポート臨時号>
カトマンズでもかなり長い時間揺れました。
ちょうど僕たちはバクタプルからボダナートに向かう途中で、空港近くを車で走っていたので、それほど揺れに気づきませんでしたが、車を止めた後もしばらく揺れていました。町中でたくさんの人が道路に出てきて、建物から離れたところに集まっていました。中には再度テントを設営し始めている人もいました。今夜は外で野営する人がきっと多いと思います。
僕たちはバクタプルで伝統建築家の方にお会いした直後だったのでもう少しバクタプルの狭い路地にいたら上から落ちてくる瓦礫で怪我でもしたかもしれないね、と皆で話していました。町中は、店もほとんど閉まり、車も少なくなり、テントの下に引くシートをたくさんの人が買いに走っていました。また、前回の地震で傾いていたビルが倒壊しているところもありました。
泊まっているタメルというツーリスト街もほとんどの店が閉まってしまいました。
この地震でまた犠牲者が出たことや日々の入った家に住んでいる不安など、日常に戻りつつあった町が一気に思い空気に包まれてしまいました
カトマンズに住むIさんは、「地震直後にまた戻っちゃった」とつぶやいていました。この地震によるネパールの人々の精神的なショックはかなり大きいと思います。(吉椿)

※6月1日には報告会をさせていただきますので、ぜひお越しください。
http://code-jp.org/blog/nepal-earthquake/2015/05/07/%E3%80%90%E3%83%8D%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%AB%E5%9C%B0%E9%9C%87%E8%A2%AB%E7%81%BD%E5%9C%B0%E6%94%AF%E6%8F%B4%E3%80%9161%EF%BC%88%E6%9C%88%EF%BC%89%E5%A0%B1%E5%91%8A%E4%BC%9A%E3%82%92%E9%96%8B/

※写真つきレポートはブログをご覧ください。
http://code-jp.org/blog/nepal-earthquake/

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ネパール地震救援ニュースNo.22

CODE海外災害援助市民センターです。
吉椿と上野からの追加レポートをお送りします。

<現地レポート 10>「山間部の現実」
カトマンズから西へ車は走らせること約2時間半、Dhading郡で最大の街、Dhadingbesiに着きます。ここで活動するNGO、Shanti Nepalは、もともとDhading郡の多くの村で健康や衛生、生計などの農山村の開発支援を行っていましたが、地震後、もともとつながりのあった21の村へ救援物資の配布などの支援を行っています。このNGOと被害の甚大なSalyantar村 に行きました。最大の街、Dhadingbesiから4WDに乗り換え、未舗装の悪路を約2時間半揺られ、山をひとつ半越えたところにありました。村の幹線道路沿いに倒壊した家屋が並んでいます。この村は127世帯、人口約500人の村で、そのうち23人が地震の犠牲になりました。特にsikert地区はまともに建っている建物がほとんど残っていない状況で、4人が亡くなったそうです。アクセスの悪さから救援はほんのわずかで、住民の人たちは現在、シートで作った簡易テントで暮らしながら来る雨期に備えた仮設住宅を作るための準備をしています。多くの人が倒壊した自宅から使えそうな木材や石、瓦などを取りだす作業に追われていました。
そんな中で木造軸組みの家がしっかりと建っている姿に出会いました。この家の持ち主は地震の前からすでに外に出てしまっていたそうで誰も住んでいなかったそうです。昔はこんな木造の家は多かったのかと隣の家の方に聞くと「そうだね・・・でもね、木は高いからね・・・」と語っていました。ネパールの森林率は25%で189か国中、107位(2012年世界銀行)という現実も関係していると思われます。
また、これまでに小さな地震を何度か経験していたこの村で防災や避難について訊ねると「テレビや学校で聞いたことあるぐらいだ。」と言っていました。昨日行ったカトマンズ近郊の村では、2か月前にNGOによる避難訓練を受けたばかりだった事もあって、この地震で非常に役立ったと住民の方が語っていました。そこには、遠い山間部の村と首都近郊の村と違いがありました。(吉椿)

※6月1日には報告会をさせていただきますので、ぜひお越しください。
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※写真つきレポートはブログをご覧ください。
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ネパール地震救援ニュースNo.21

※複数のMLに配信しておりますので、重複はご容赦ください。

CODE海外災害援助市民センターです。

昨日報告しましたDhading(ダーディン)郡の農山村には、Shanti NepalというNGOが入っていて、同郡21の村で、次のような活動をするという計画を企画しています。①Community Health(コミュニティでの健康)、②Sanitation Campaign(衛生キャンペーン)、③Food Security and Nutrition(食品管理と栄養)、④Empowerment(エンパワーメント)、⑤Peace Building(平和構築)、⑥Disability(障がい者)–Providing life(生活設計) 、Skill training(技術トレーニング)、Seed fund support(農作物の種の提供)
⑦Scholarship(奨学金)これを見ると、もともと開発支援で入っていたNGOにふさわしく、CODEのような災害後の復興支援を目的とするNGOは、こういうNGOと連携して復興支援ができることが理想だと痛感させられました。
さて昨日は、吉椿・上野の二人は、ネパール在住2年という日本人の方に案内され、Kavre郡で有機農業を行っているTさんご夫妻(奥さんは日本人)に 会いに行きました。ネパールで有機農業を40年近く行っているご夫婦に近辺の被災状況やネパールの農業、コミュニティーなどのお話をお聞きしました。(事 務局)
タマンさんご夫妻
<現地レポート 9>
カトマンズから東へ約2時間Panchkhalという町に着きます。そこから未舗装のデコボコ道 を1時間ほど登ったところがAnaikot村です。この村は2つの地区(ワード)からなり、約1500人が暮らしています。ここに約40年住む日本人女性 がいます。Oさんは、日本で農業を学ばれたご主人のTさん(タマン族)について1976年にネパールに来たそうです。
Tさんは有機農業をこの地で広め、私財で学校を建設したり、町から続く18キロの道路を作った篤志家で、村人の信頼の厚い方です。自分たちで建てた3階建ての自宅もヒビが入り、補修を迫られています。

タマンさん宅
O さんが言うには、村の三分の一の家屋が全壊し、三分の一が半壊、残り三分の一の家屋が倒壊していなくてもヒビが入っていると言います。Oさん夫妻は、周り の 農民たちに「援助に期待しないで、まず住むところを自力で確保すること、そして来年のために田畑の作付をやること」、「もうすぐ雨期に入るから今、家を建 ててはいけない。」といい、「ヒビの入った家に雨が染み込むと危険」、「雨期に入ったら田畑にも被害が出るだろう」と二次災害を心配していました。この数 日、一日に一度、短時間ですが、大粒の雨が激しく降り、未舗装の山道では赤土を洗って川のようになります。雨期の到来を思わせる雨です。地震でゆるんだ地 盤や亀裂に雨が染み込み、土石流の発生が懸念されています。(吉椿)
P1300694_R
※6月1日には報告会をさせていただきますので、ぜひお越しください。
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ネパール地震救援ニュースNo.20

これまでの現地レポートにもありますが、地震後の最大の課題は、モンスーン期が迫ってきているため、地震で家を失くした人たちの「住居」の手当てが課題のようですが、政府の支援のバラつきや、地理的環境からNGOの支援のバラつきが当面の問題として浮かび上がっています。(事務局)

<現地レポート 8>

先遣隊の二人は、昨日現地のカウンターパートナーの一つ、Transformation Nepalのロメスさん、Shanti NepalのIndraさんとSalyantra村Siketar地区へ入りました。カトマンズから車で2時間半Dhadingbesiから4WDに乗り換えさらに山道を2時間半という厳しい工程でした。

P1300532_R

○Dhading郡 Salyantar村 Siketar地区でのヒアリング

・この村では23人が亡くなった。この地区で亡くなったのが4人。お話を聴かせていただいた方の息子も亡くなった。この村には127家族、400~500人が住んでいる。

・民族はネワール族が60%、バフン族が40%。

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・シンドパルチョークは中国との国境もあって支援も来るが、ここには来ない。

・小さい地震はこれまでにもあった。地震後、この村では地面や畑にヒビが入っている所も多く、地滑りがたびたび発生している。

・今回の地震で学校(小学校、中学校)、病院やコミュニティセンターもヒビが入っており、修理しなければいけない。学校はヒビが入っており使えない状態。現在、子どもたちは学校に行っていない。

・村の病院にはスタッフが派遣されており、地震後にはこの地区で診療も行っている。

・政府は5日目で学校を再開と言っていたが、まだ再開していない、今後、テントで仮設学校を作り、授業を行う予定。

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・地震が発生したときには新しく作った廟のオープニングセレモニーを行っていたため村の多くの住民が集まって外に出ていた。

・防災に関する避難訓練などは行ったことはない。学校やテレビなどで机の下に隠れるなどは聞いたことはあった。

・飲み水はパイプラインで村に引いている。村の人が少しずつお金を出し合ってきれいな水を引き入れるタンクを作ったが、地震で壊れてしまった。

・村の多くは農民、特にコメ作り。ただしこれは自分たちで食べるため。多くは海外などに出稼ぎに行き、ドライバーをしている人もいる。

・村の人は生活物資を近郊のArkhett Bazar(Gorkha郡)まで買いに行く。

・仮設住宅のための石も木も十分にあるが、仮設を作ってもそんなに長く住めない。

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・家を新たに建てるには60万~70万ルピーが必要。家の材料は車で2時間のDhadingbesiまで買いに行く。

・もうすぐ雨期が来てモンスーンがやってくる。家がないのでシェルター(仮設)が必要。

・乾燥して、灌漑用水がないので雨に頼るしかない。それが一番の問題だ。

・多くの家が築30年。一部20年くらいのものもある。全て同じ建て方をしている。

・この村にはChild Club、Youth Club、Mother’s group などのコミュニティグループがあるがミーティングなども行っておらず、あまり積極的に活動はしていない。今後、復活するだろう。

・村で物事を決める際は、みんなで集まって話すが、学校、病院などの公共施設の建設などの場合、9~11人ぐらいの小グループで話し合い、データーをとって政府に申請する。

・この村も元々の問題(教育、仕事、病院など)は、全てが不十分。      (以上)

ネパール地震救援ニュースNo.19

吉椿、上野は、昨日カトマンズ郊外のKirtipurのGamcha村、TauDaha村を訪問しました。

<現地レポート7>
カトマンズの郊外、Kirtipurの町から南西へ小高い丘を上がったところにGamucha村はありました。120世帯、約600人のこの村は、周辺に比 べると赤レンガの組積造の古い家屋が多く、地震によって大きな被害を受けていました。このあたりの家屋は30~40年ほど前に建てられたものが多く、じっ くり見ていくと、倒壊した家屋の壁の一階と二階のレンガの色が違うことに気づきました。1階部分は灰色の日干しレンガで、2階部分は赤い焼きレンガになっ ていました。

日干しの上に焼き
住民の方に聞いてみると、最初に一階を建て、後に二階を建て増ししたそうです。軽い日干しレンガの上に重い焼きレンガが乗っている不安定な構 造になっていました。また、倒壊した家屋から救出された女性の家は、建て増ししたと思われる2階部分に重いコンクリートスレートが乗っていました。他に も、分厚い壁の中にもう一つ壁がある家屋もあり、古い日干しレンガの外側に焼きレンガで新たに覆ったようです。ネパールの古い家屋は、上に、横に、外に 「継ぎ足し」してできていました。大家族で一緒に暮らすネパールでは、子供が成人すると家を分け与えるという習慣の意味がよくわかりました。現在、被災者の人たちは倒壊した自宅のそばで、トタンや竹を使った仮設の住宅で間もなく来る雨期の備えようとしていました。(吉椿)
竹の仮設
Kirtipur、Gamcha村の避難テントでのヒアリング
KirtiprのGamcha村で家を失い、テントで暮らすMさんからお話を聴かせていただきました。地震後、半分が崩れた家の側で竹の骨組みにビニールを被せただけの簡素なテントでMさんご家族を含め、3、4家族、18人で生活しているそうです。「水も食べ物も今のところは十分に届いてはいるが、何よりも家がないことが問題。雨期にこのテントでは心配。」と降りはじめた雨の中で不安を口にしていました。この村では支援に来たNGOにより仮設住宅が建て始められています。(上野)
コンクリートスレート
Tau Daha村でのヒアリング
Tau Daha村で被災をした60代の女性にお話を聴きました。問題なく建っている家も多いため、一見被害を受けている様には見えないTau Daha村 ですが、畑のあぜ道を抜けていくと片側が大きく崩れた女性の家があります。現在、女性は隣に住む方の家の一室を間借りして家族で生活しています。壊れた家 は大通りからは目につかないため支援は来ておらず、「家の畑で取れるトウモロコシなどを食べて生活している。」と言います。畑の農作物が災害時には大切な ライフラインとなっています。女性は今後について「政府の支援が来ないことには家を再建することができない。」と語ります。(上野)
仮設3
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ネパール地震救援ニュースNo.18

吉椿と上野は昨日、日本で旅行社をしているシェルパ族のラクパ・シェルパさんとカトマンズで合流し、お話を聞かせて頂きました。今日の現地レポートは、ラクパさんからのヒアリング内容をお伝えします。日本の新聞報道でも伝えられていますが、まだまだ支援の届いていない山間部の村々があるようです。

<現地レポート6>

ラクパさんは、震災前からベルギーのNGOと連携し、102名の子ども支援をしていたのですが、ラクパさんが子どもたちの住まいとして提供していた建物が今回の地震で壊れ、住めなくなりました。子どもたちは、無事であった何軒かの家々に分散して一時預かってもらい生活をしています。子どもたちには里親がペアリングされているそうです。一方、ラクパさんは、カトマンズ市内にあるシェルパ・コミュニティ(メンバー約1500人)に加わっており、同コミュニティが、最も被害の大きいとされるシンドゥパルチョークのGolche(ゴルチェ)に知り合いがいて、支援をしています。シェルパ・コミュニティは、年に1回コミュニティのメンバーが集まり、報告、話し合いを行い、またコミュニティメンバーは村の医療機関での割引がある。検査は無料。

 

◎以下ヒアリングの内容

・Golche(ゴルチェ)には二人を派遣して調査中。ここのある地区では、トタンを運んで50~60人が入れる仮設を作ることを計画している。

・シェルパコミュニティはシンドパルチョークのListikotにある、車道から2日歩いた所にあるニシティ村の被害が大きいとGolcheの人から聞いた。いくつかの民族がいる。今入るにはヘリで行くしかない。支援が何もない。

・シンドパルチョークのGolche付近から中国国境への幹線道路は危険で道も悪くなっている。2人もバイクで現地へ向かっている。元々、道が悪い。

・車で行けるところはネパール・外国の支援チームや団体の支援が入っているので、車の入れないところの支援が必要。

・Golcheは幹線道路から歩いて3時間で物資支援が届いている。道路まで村の人に来てもらい、物資を一緒に運んでいる。

・Listikotにヘリで行くためには3、4人で20万ルピーかかる。1回に3.5tの物資を運ぶ場合、さらに高くなる。

*地元のGudel村について

・この村のある郡は東の端なので政府はなにもしてくれない。村にはシェルパ族よりもライ族が多い。

・Gudel村では物資や890世帯の各世帯に被害に応じて最大5000ルピーの義捐金の支援を考えている。

・シェルパコミュニティのメンバーのほとんどはカトマンズに家を借りており、Gudel村に家を持つ。村にはもともと電気がない。

・メンバーのほとんどがカトマンズでトレッキングなど観光の仕事をしている。この1か月はキャンセルばかりだが9、10月には元に戻ると思う。

・シェルパコミュニティで国にプッシュして発電機を村に導入した。村人がそれぞれ3~5万ルピー出しあい設置している。

・住まいは石積みのチベット式で、石積みの壁に泥を塗ったトタン屋根という家屋も少なくない。村の家々は倒壊はしていないが、亀裂が入って住めない家屋も多い。

・シェルパコミュニティのメンバーの中で、家が崩れたのは5、6軒であったが、村から3時間のところにあるMaure村は36軒の家にうち数軒しか残っていない。食糧を家とともに失い、支援もまだ来ていない。

・村がもともと抱えていた大きな問題としては、医者や薬を取り扱う人がほとんどいないということ。現在は政府の派遣で看護師が2人、さらにシェルパコミュニティからの雇用で看護師が1人村に来てもらっている。看護師は1万9000ルピーで雇っている。

・薬が足りておらず、現在は看護師が送ってきた必要な薬のリストに応じてカトマンズから送っている。

・村の人は農業を行っている。2600~3000mの高地であるためコメは作れず、ジャガイモやトウモロコシを作り、村人が消費している。作物は売るところがない。

・村には商店がなく、塩などを買いに行く場合は1週間かけてルクラやナムチェバザールまで買いに行く。服などはカトマンズまで買いに行くこともある。

・昔からあるゴンパ(寺)などがだんだんと崩れてきており、修復するのにお金がかかる。

・森がたくさんあり、自然が多い。しかし家を建てるために木を伐採するには一本一本申請して税金を払わなければいけないが、学校など村のものを建てる場合はコミュニティの判断で伐採することができる。

・観光地ではない場所には支援はこない。ランタン(雪崩で多くの人が亡くなった場所)などの有名な観光地には続々と支援が集まる。

・観光客がヒマラヤへ向かう際に村に立ち寄るということはない。観光地にすることも考えて、村に空港を作るために土地を寄付、買い取りしている。飛行機が飛ばないことも多いルクラ空港の代わりに飛行場の誘致を行っている。

・シェルパコミュニティで村に橋を作るということも行っており、その際にはカトマンズで橋を作り、村まで運んだ。

・ヤクを飼う人はいるが、少ない。ヤクは4万ルピーだが、トラなどに襲われるリスクがある。メスが少し高い。

・16歳でエベレスト登頂に成功した女性は今回集まっていただいたメンバーの方の娘。

・村にはアメリカ人の支援によって12年前に40万ルピーで建てた学校があるが今回の地震で大きく崩れてしまった。トタンと石でできている。学校を再建する場合、今では40万ルピーではできない。

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ネパール地震救援ニュースNo.17

吉椿と上野は、被害が最も甚大なシンドルパルチョーク郡に向かい、調査を行っています。
テント村で
現地レポート5〜シンドパルチョークの被災地へ〜
被 害の甚大なシンドパルチョークの中でも、中国との国境に近いBarthabiseが深刻だという情報を現地のNGOから入手し、カトマンズから北東へ約2 時間半の山道のアップダウンを繰り返し、現地へ向かいました。Barthabiseの数キロ手前あたりから家屋の被害目立ち始めます。これまでに行った Nuwakotととはまた少し違う住宅もあり、日本の瓦屋根のような軽い板のようなもので葺いた屋根と赤煉瓦の壁に木製の窓枠で支えられている古い住宅も ありました。ここでも組積造の住宅の多くが被害を受けているのですが、ある事に気づきました。それは、被害を受けた組積造の住宅で崩壊しているのは、住宅 の向きにかかわらずほとんどが側面や正面との接合部で、木製の窓枠や玄関のある正面はまったく被害を受けていないのです。これは木で組んだ構造がそうさせ たのかもしれません。専門家の先生のご意見を待ちたいところです。このエリアでは、昨年9月に大規模な地滑りが起き、沢山の家が土砂に飲み込まれ、今も塞 き止めダムに沈んだ家が見えます。(吉椿)
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Bahrabise(バラビセ)の小学校でのヒアリング
小学校の校長をしている女性 の方にお話をお聞きしました。今回の地震により大きな被害を受けた人口約1万人のBahrabiseでは5人が亡くなったそうです。310人の子どもが通 う小学校では子どもたちが勉強のために学校を一部再開しているようです。しかしこの町に5つある小学校で再開しているのは一つだけで、その他の小学校はま だまだ再開できそうにないと言っています。校舎の一部は壊れており、「食糧や医療、衣類の支援とともに学校の再建が必要だ」と訴えていました。 Bahrabiseの街から離れた山間部に住む子どもたちは、学校に通うために長い道のりを歩かなければなりませんが、今回の地震や6月からの雨期で通学がさらに困難になります。山間部では地震以前から住む場所による教育格差が存在しており、今回の地震によって格差がさらに広がってしまうことが懸念されま す。(上野)

Bahrabiseの避難テントキャンプでのヒアリング
街の小高い丘に約100世帯、250人が生活するテントキャンプがあります。このテントで生活する20代の女性と70代の女性にお話を聞きました。2人の女性は地震前は、街で家を借りて住んでいましたが、地震 で家が倒壊し、避難せざるをえない状況になったと言います。「この地震が起きる前にも、小さい地震は度々あったけど、これほど大きな地震が来るとは思ってもみなかった。」と70代の女性は語っています。2人の女性はまだテントや食糧、衣類が足りず、またこれから雨期が来る中でのテント生活を心配していま す。今日は午後から大粒の雨が降り、雨期が近づいていることを感じます。テントや壊れた家にシートを張って暮らす被災者の今後の生活や健康が心配されま す。(上野)
去年の水害で
Lamosanguでのヒアリング
バクタプルのNGOの関係者のRさんたちにお会いしました。広いテントの向こうに は瓦礫の山がありました。そこには2階建ての教会があったそうで、地震で16名の方がこの教会で亡くなったそうです。しかもこの教会は4年前に建てたばか りでした。この村(人口700人)のほとんどの人が農民で、生活できないのでカトマンズやバクタプルに出稼ぎにいくそうです。4年で倒壊してしまった教会 を再建するのに「キリスト教関係の支援はそれほどないので、自分たちで何とかするしかないなあ」と語っていました。(吉椿)
倒壊した教会
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ネパール地震救援ニュースNo.16

昨日のNo.15に引き続き、吉椿と上野がカトマンズ周辺の地域で行ったヒアリングについてのレポートをお送りします。

現地レポート4〜Lalitpurブンマティ村〜
カ トマンズ市街から車を20分程走らせたlaitpurにブンマティ村があります。カトマンズ近郊でも大きな被害を受けた地域であるため、地元の団体による 食事の配給やガレキを片付けるようすが所々で見られました。一部が損壊した家屋は目立つものの、地震後でも住民が住み続ける家屋も多くあります。しかし村 の中心であるレッド・マチェンドラ寺院は大部分が崩壊しており、警察によってガレキが撤去されている寺院の周りでは多くの被災者が集まり配給されたカレー を食していました。

村の中心に寺院があり、そこに隣接した場所に80代の女性が家族と暮らしています。屋上にある地震で壊れたキッチンを 見せていただきながらお話を聴かせてもらいました。家は65年前に建てた伝統様式の部分と3、4年前に建てたレンガとコンクリートからなる新しい部分が合 わさって一つの家となっています。住宅には大きなひびが入り、現在は息子さんたちと自宅の裏のテントで寝ているそうですが、古い家の木の柱は地震後でも しっかりと家を支えているように感じました。また女性は1934年の地震は経験していないものの村にある寺院が崩れたことを両親に聞いていたようです。一 方で今日案内をしてくれた20代の若者は1934年の地震は今回のネパール地震が来るまではほとんど知らなかったと言っており、世代
を重ねるごとに忘れ去られていく災害の経験を伝えていくことの重要性を感じます。

お 話を聴かせてくれたお礼に東日本大震災の被災者の方々が作ったまけないぞうを渡すと、「ヒンディーの象の神であるガネーシャみたいだ。」と大切そうに抱き しめていたのがとても印象的でした。女性は「今後の再建は、政府の政策が分からないので、どうしようもない。」と述べています。また厚い信仰心を持つネ パールの人々にとってシンボルとなる寺院を失ったことはとても大きなことです。余震の恐れもある中で家を失った住民はまだまだ大きな不安を感じています。 (上野)

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