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ネパール地震救援ニュース No.57

「ネパールの大工、村に戻りました。ありがとうございました!」

 グデル村の若き大工、ニマ・シェルパさん(26歳)は、1か月半の日本での建築の学びを終え、先日無事グデル村に戻りました。稲見さんを通じて譲っていただいた加古川の熟練大工の貴重な道具もニマさんと共にグデル村に届きました。
 三木の大工、稲見さんによる道具のメンテナンス指導、神戸の寺社見学、津山の伝統構法住宅の見学、竹中大工道具館見学、京都の耐震パネルや魚谷さんによる町家の改修現場の見学や茅葺き実習、北さんによる耐震構造のレクチャーと実技指導、チームひょうごでの報告、食と国際協力でのお話など盛り沢山の内容で、あっという間に1か月半の日本滞在でした。
 ニマさんと最も長く時間を過ごした稲見さんは、ある日、ニマさんの学ぶ姿を見て「彼は素直だからノコギリの歯がスッと入っている」と語っていました。その言葉はニマさんの人となりを表していて、今回、ニマさんに出会った多くの人は、彼のものを学ぶ謙虚な姿勢やひたむきさ、静かな熱意を感じたことと思います。

 ニマさんは、帰国直前にこう語りました。「たくさんの事を学ばせてもらったことは必ず村の大工の仲間に伝えます。自分が今回日本で受けたこの恩を必ずネパールの再建のために役立てていきます。ありがとうございました」と。日本で学んだ伝統技術はニマさんによってネパールに伝えられていくことでしょう。
 現在、グデル村では住宅再建の最中で、ニマさんの技術を必要としている人たちが沢山います。彼は、今後大工としてだけでなく、村をよりよい方向へと導いていく役割を担っていくことと思います。

 今回の研修でご協力をいただいた皆さま、本当にありがとうございました。

CODE海外災害援助市民センター事務局長 吉椿雅道

今回の研修でご協力いただいた皆さま:
稲見充典さま(稲見建設代表)、三木の職人の皆さま、
北茂紀さま(北茂紀建築構造事務所代表)、尾上結希さま(尾上組四代目棟梁)、
福島宏将さま(丸浩工業営業開発部)、魚谷繁礼さま(魚谷建築繁礼研究所所長)、
阿萬田嘉之さま(魚谷建築繁礼研究所)、佐野春仁さま(京都建築専門学校)、
荒木勇さま(アラキ工務店社長)、作事組さま、竹澤英明さま(淡路瓦工業組合)、
佃雅史さま(尚林堂堂主)、野水直哉さま(野水瓦産業)、竹中大工道具館、
廣本勝治・敏美さま(夢広の会)、チームひょうごの皆さま、
植田麻紀&シムさま(Guesthouse SOI)、Lakpa Sherpaさま(Royal Orchid Treks代表)、
村上忠孝さま(CODE海外災害援助市民センター理事)、
村井雅清さま(CODE海外災害援助市民センター理事)、被災地NGO恊働センターの皆さま

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