「耐震住宅再建プロジェクトの近況」
CODEがプロジェクトを行っているソルクンブ郡グデル村を先日、訪問してきました。エベレスト街道の起点になるルクラから登山で3日の行程を歩く予定でしたが、世界的な寒波の影響か雪に見舞われ、カウンターパートのグデルシェルパコミュニティ(GSC)のシニアアドバイザーのラクパ・シェルパさん(プロの登山ガイド)も危険だと判断し、急きょヘリコプターを要請し、グデル村へと入りました。
グデル村は人口約3500人(約700世帯)の村で、標高2000m~3500mの山にシェルパ族、ライ族、タマン族が暮らしています。村のほとんどの方がジャガイモ、トウモロコシなどの高地作物を栽培する農業に従事しており、自給自足に近い暮らしを営んでいます。
現在、CODEはこのグデル村でGSCと行っている「耐震住宅再建プロジェクト」としてモデルハウスを建設しています。現地で調達できる石、泥、木、竹などの資材を使った耐震住宅の建設に12~14名の大工さん、石工さん達が日々、力を注いでいます。石の積み方、粘りのある泥、木造バンドによる補強など一つひとつをクワパエンジニアリング大学の専門家のレクチャーを受けながら、すべて手作業で丁寧に行っています。このモデルハウスは完成後、村の医療施設として活用されますが、このプロジェクトでは、建物を建てること以上に大工さん、石工さん達がしっかりと耐震の技術を学ぶことに重きを置いています。技術を身に着け、地元の資材を使って自分で安心・安全な家を再建する事は、彼ら自身の力になり、自信や誇りにもつながっていくと思います。今後、この大工、石工さん達が学んだ技術を他の地域にも伝え、持続可能な耐震住宅の再建に力を注いでくれる事を期待しています。モデルハウスは2月下旬頃に完成予定で、その後26棟の一般住宅の再建に入ります。
カトマンズで働いていた若い大工、ニマさん(25歳)は、「学んだ技術を故郷の村の人のために活かしたい」と、このプロジェクトをきっかけに今後、村に戻る事を決断しました。人が真剣に学び、未来を語る姿に心を奮い立たされました。(吉椿雅道)
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