月別アーカイブ: 2015年8月

ネパール地震救援ニュースNo.37

「シェルパのおばあちゃん達」

ネパール地震から明日でちょうど4か月。カトマンズの都市部では一部、住宅再建の始まったところもありますが、被災地の多くはトタンなどの仮設の住宅でこの雨季を耐え忍んでいます。山間部の被災地では、未だ救援物資が届いていない地域もあります。また、山間部からカトマンズに家族・親せきを頼って来ている人たちも少なくありません。

CODEの支援するソルクンブ郡グデル村で住宅が倒壊したことによりカトマンズに避難してきたシェルパ族の高齢者もいます。Pさん(80歳)とRさん(72歳)のおばあちゃん達は、地震直後から約2か月間、仮設の避難小屋で暮らしていましたが、6月末にカトマンズに住む孫たちももとへ避難してきました。シェルパコミュニティが雨季対策のテントを配布する際にヘリコプターに乗ってカトマンズに避難してきたそうです。

カトマンズでの暮らしはどうですかと訊ねると、「体調が悪い・・・」と語っていました。標高3000mの高地に住むシェルパ族の高齢者にとって、車が多く空気も悪い、食べ物も水も悪い、暑いなど、慣れない都会での生活は体調に影響を及ぼすのは当然の事です。

村での生活を聞くと、どこか嬉しそうに語り始めます。村ではどの家も牛を飼っているそうで、牛の糞尿を肥料にして自分たちの食べるジャガイモやトウモロコシを作り、牛やヤクのミルクを使ったバター茶を毎日飲んでいるそうです。また、敬虔なチベット仏教徒であるシェルパのおばあちゃんたちは、毎朝仏壇にお水をあげ、ロウソクに灯りをともし、祈りをささげる生活を送っているそうです。お話を聴くことで、標高3000mのシェルパの暮らしが見えてきます。

そんなおばあちゃんたちに村の自慢を訊ねると、うーんと首をかしげて「昔は子どもや孫がいてよかったけど、今は皆、村を出てしまって寂しいわ。」という意外な答えが返ってきました。CODEがこのシェルパコミュニティを共に行う再建プロジェクトで、カトマンズに住む村出身の若者たちの行き来が盛んになり、帰りたくなるような村になっていけば、きっとこのおばあちゃんたちも寂しい思いも少しは解消されるのではないかと思います。

CODEはこのプロジェクトを通してグデル村の「賑わい作り」のお手伝いが少しでもできればと思います。(吉椿雅道)

シェルパのおばあちゃん (1024x768)

ご支援よろしくお願いします。
☆救援募金にご協力下さい 郵便振替:00930-0-330579 加入者名:CODE
*通信欄に支援先を明記してください。(例:「ネパール地震」)
*募金全体の25%を上限として事務局運営・管理費に充てさせていただきます。
*クレジットカードをご利用の方はホームページ(下記)からご寄付いただけます。
http://www.code-jp.org/cooperation/index.html
*クレジットカード決済ページ備考欄に支援先(例:ネパール地震)と明記してください。

ネパール地震救援ニュース No.36

「シェルパの若者たちが立ち上がる!」

ネパール地震からもうすぐ4か月です。雨季の被災地では、一日に一度は大粒の雨がまとまって降っています。山間部では、雨によって複数ヶ所で地滑りが発生し、都市部でも地震により被害を受けた壁の亀裂は雨によって確実に広がっている家屋もあります。
CODEは、東部ネパールのソルクンブ郡のシェルパ族のグデル村での耐震の住宅再建プロジェクトを決定しました。先日、ネパールを再訪し、カウンターパートであるGudel Sherpa Communityの方々と協議を重ねてきました。
今後、このプロジェクトを進めていくためにコミュニティの中に「再建プロジェクトチーム」が結成されました。グデル村とカトマンズに住む20代の若者を中心にした7名が、自分たちの村を変えていこうと立ち上がりました。約60名のコミュニティの方が参加したミーティングでも若者たちが中心で運営しています。また、プロジェクトを行うあたって、シェルパ族の文化を見てほしいということで、民族衣装をまとった若者たちが踊りを披露してくれました。その後ろで、若者たちが復興の中心を担っていこうとする姿を頼もしそうに見つめている高齢者の姿もありました。
CODEは、乾季(10月以降)に入ったら第1段階としてカトマンズで耐震のモデルハウスの建設を行い、地元の人たちが皆で学べる場をを作っていきます。引き続きご協力のほどよろしくお願いいたします。(吉椿雅道)

ネパール写真36 ネパール写真36-2
再建プロジェクトチームの若者たち                             シェルパの踊りを踊る若者たち