吉椿と上野は昨日、日本で旅行社をしているシェルパ族のラクパ・シェルパさんとカトマンズで合流し、お話を聞かせて頂きました。今日の現地レポートは、ラクパさんからのヒアリング内容をお伝えします。日本の新聞報道でも伝えられていますが、まだまだ支援の届いていない山間部の村々があるようです。
<現地レポート6>
ラクパさんは、震災前からベルギーのNGOと連携し、102名の子ども支援をしていたのですが、ラクパさんが子どもたちの住まいとして提供していた建物が今回の地震で壊れ、住めなくなりました。子どもたちは、無事であった何軒かの家々に分散して一時預かってもらい生活をしています。子どもたちには里親がペアリングされているそうです。一方、ラクパさんは、カトマンズ市内にあるシェルパ・コミュニティ(メンバー約1500人)に加わっており、同コミュニティが、最も被害の大きいとされるシンドゥパルチョークのGolche(ゴルチェ)に知り合いがいて、支援をしています。シェルパ・コミュニティは、年に1回コミュニティのメンバーが集まり、報告、話し合いを行い、またコミュニティメンバーは村の医療機関での割引がある。検査は無料。
◎以下ヒアリングの内容
・Golche(ゴルチェ)には二人を派遣して調査中。ここのある地区では、トタンを運んで50~60人が入れる仮設を作ることを計画している。
・シェルパコミュニティはシンドパルチョークのListikotにある、車道から2日歩いた所にあるニシティ村の被害が大きいとGolcheの人から聞いた。いくつかの民族がいる。今入るにはヘリで行くしかない。支援が何もない。
・シンドパルチョークのGolche付近から中国国境への幹線道路は危険で道も悪くなっている。2人もバイクで現地へ向かっている。元々、道が悪い。
・車で行けるところはネパール・外国の支援チームや団体の支援が入っているので、車の入れないところの支援が必要。
・Golcheは幹線道路から歩いて3時間で物資支援が届いている。道路まで村の人に来てもらい、物資を一緒に運んでいる。
・Listikotにヘリで行くためには3、4人で20万ルピーかかる。1回に3.5tの物資を運ぶ場合、さらに高くなる。
*地元のGudel村について
・この村のある郡は東の端なので政府はなにもしてくれない。村にはシェルパ族よりもライ族が多い。
・Gudel村では物資や890世帯の各世帯に被害に応じて最大5000ルピーの義捐金の支援を考えている。
・シェルパコミュニティのメンバーのほとんどはカトマンズに家を借りており、Gudel村に家を持つ。村にはもともと電気がない。
・メンバーのほとんどがカトマンズでトレッキングなど観光の仕事をしている。この1か月はキャンセルばかりだが9、10月には元に戻ると思う。
・シェルパコミュニティで国にプッシュして発電機を村に導入した。村人がそれぞれ3~5万ルピー出しあい設置している。
・住まいは石積みのチベット式で、石積みの壁に泥を塗ったトタン屋根という家屋も少なくない。村の家々は倒壊はしていないが、亀裂が入って住めない家屋も多い。
・シェルパコミュニティのメンバーの中で、家が崩れたのは5、6軒であったが、村から3時間のところにあるMaure村は36軒の家にうち数軒しか残っていない。食糧を家とともに失い、支援もまだ来ていない。
・村がもともと抱えていた大きな問題としては、医者や薬を取り扱う人がほとんどいないということ。現在は政府の派遣で看護師が2人、さらにシェルパコミュニティからの雇用で看護師が1人村に来てもらっている。看護師は1万9000ルピーで雇っている。
・薬が足りておらず、現在は看護師が送ってきた必要な薬のリストに応じてカトマンズから送っている。
・村の人は農業を行っている。2600~3000mの高地であるためコメは作れず、ジャガイモやトウモロコシを作り、村人が消費している。作物は売るところがない。
・村には商店がなく、塩などを買いに行く場合は1週間かけてルクラやナムチェバザールまで買いに行く。服などはカトマンズまで買いに行くこともある。
・昔からあるゴンパ(寺)などがだんだんと崩れてきており、修復するのにお金がかかる。
・森がたくさんあり、自然が多い。しかし家を建てるために木を伐採するには一本一本申請して税金を払わなければいけないが、学校など村のものを建てる場合はコミュニティの判断で伐採することができる。
・観光地ではない場所には支援はこない。ランタン(雪崩で多くの人が亡くなった場所)などの有名な観光地には続々と支援が集まる。
・観光客がヒマラヤへ向かう際に村に立ち寄るということはない。観光地にすることも考えて、村に空港を作るために土地を寄付、買い取りしている。飛行機が飛ばないことも多いルクラ空港の代わりに飛行場の誘致を行っている。
・シェルパコミュニティで村に橋を作るということも行っており、その際にはカトマンズで橋を作り、村まで運んだ。
・ヤクを飼う人はいるが、少ない。ヤクは4万ルピーだが、トラなどに襲われるリスクがある。メスが少し高い。
・16歳でエベレスト登頂に成功した女性は今回集まっていただいたメンバーの方の娘。
・村にはアメリカ人の支援によって12年前に40万ルピーで建てた学校があるが今回の地震で大きく崩れてしまった。トタンと石でできている。学校を再建する場合、今では40万ルピーではできない。
ご支援よろしくお願いします。
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