ネパール地震救援ニュース No.24

「身土不二」

 ネパールの被災地での10日間の調査を終え、今朝、帰国しました。この
ネパール地震をきっかけに様々なご縁と出会いがありました。現地ネパー
ルのNGOのMさんたち、現地で伝統音楽を演奏、指導するIさんとパートナー
のVさん、ネパールに嫁いでご主人と共に農に励むTさんご夫妻、ネパール
で東西医学を併用したクリニックを開設しているYさん(黒田裕子さんの恩
師)、日本で働くシェルパ族のLさん、ネワールの伝統建築を保存・修復さ
れているRさん、皆さんがそれぞれにこの地震によるネパールの人たちを案
じ、それぞれに出来ることをやられていました。

 被災地のKavre郡の山間地で40年農業をやられているTさんご夫妻のネパー
ルでの暮らしをお聞きしている中で「身土不二」という言葉が頭の中に浮か
びました。身体と大地はひとつという意味ですが、その土地でできた野菜や
薬草を、その季節に合わせて食べるのが最も体によいという食養生などに用
いられる考え方です。僕自身も東洋医学を学んでいる時、熊本の菊池養生園
の竹熊宜孝先生が「身土不二」という言葉をよく使われていました。これは
農や医だけではなく、先述の方々のように音楽や建築、民族などにも共通す
るように思います。ある建築家が「その土地で採れた材料を使って、その土
地の技術で作られた建物は、たとえ貧しく見えようとも美しい」と語ったよ
うに、その土地の風土が長い間かけて生み出した暮らしや文化は、その土地
の人や風景になじむはずです。

 このネパール地震ではバクタプルや農山村の各地でのレンガの組積造の住
宅が多く被害を受けました。今後、住宅再建の際には「レンガは危ない、コ
ンクリートの住宅を」となっていくと思われます。建築家Rさんは地震後、バ
クタプルでは伝統建築を捨て、コンクリートで再建をする傾向があることを
指摘しています。ネワールの伝統様式の街並みや急峻な赤土と緑の山村に真
新しいコンクリートは風景になじむとは思えません。日本同様、災害の多い
ネパールでは今後、その土地の文化を尊重すると同時に如何に命を守るかが
問われています。

 現在、ネパールでは多くの若者が自らの民族の言葉を嫌い、仕事を求めて
首都や海外へと出稼ぎに行っているそうです。この地震を機にネパールの人
たち自身が自らの暮らしや文化を見つめ直し、自国の誇りを取り戻すような
支援が求められています。(吉椿)


※6月1日には報告会をさせていただきますので、ぜひお越しください。
http://code-jp.org/blog/nepal-earthquake/2015/05/07/%E3%80%90%E3%83%8D%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%AB%E5%9C%B0%E9%9C%87%E8%A2%AB%E7%81%BD%E5%9C%B0%E6%94%AF%E6%8F%B4%E3%80%9161%EF%BC%88%E6%9C%88%EF%BC%89%E5%A0%B1%E5%91%8A%E4%BC%9A%E3%82%92%E9%96%8B/

ご支援よろしくお願いします。
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