「ユースのための国際交流オンライン・スタディツアー ~国と国を繋ぎ、出会いを通して学びを共有しよう~」が関西NGO協議会の主催で行われました。インドネシアやカンボジア等の5カ国で行われた本企画ですが、今回、CODEは日本災害救援ボランティアネットワーク(NVNAD)と協力し、中国ツアーを開催しました。
オンラインツアーには、中国と日本から合わせて40名以上の高校生、大学生が参加しました。第1部ではNVNADの寺本さんの進行のもと、自己紹介とお互いの国の情報や災害状況の共有を行いました。観光地や美味しいものだけでなく、災害状況まで知れたことで、お互いの国について新たな発見をする良い機会になりました。第2部では、大阪大学の渥美教授の進行で、SDGsの原則である「誰一人取り残さない」というテーマのもと、学生同士の議論を行いました。その中では、コロナ禍でボランティアに行くべきかどうか等、災害ボランティアをする中で判断に迷う場面に遭遇したと仮定し、議論を進めました。第3部では、CODEの事務局長の吉椿から写真から想像してみようをテーマに、被災地の写真からどのような被害があったのか、その後そこに住む人々の暮らしはどうなるのか等を想像し、話し合いました。
日中の学生がお互いの意見に耳を傾け合い、学生から「とても短い時間だった」という感想が出るほど充実した3時間を過ごすことが出来ました。
以下、参加した学生、山村太一さん(神戸学院大学)の感想をご紹介します。
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「ユースのための国際交流オンライン・スタディーツアー~国と国を繋ぎ、出会いを通して学びを共有しよう~」
日時:2022年10月16日(日)14:00~17:00
開催方式:ZOOMによるオンライン
対象:日本・中国の高校生・大学生
主催:関西NGO協議会
協力:CODE海外災害援助市民センター日本災害救援ボランティアネットワーク(NVNAD)
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オンラインスタディツアーに参加して感じたことは、大きく二つある。一つは、何度も何度も自分自身で感じていることだ。それは、言語の重要性だ。通訳を通しての会話だと本当に自分の言葉が伝わっているのか分からなかったり、僕たちと参加者の間に伝わるまでの時差があったりと、なかなか思い通りに進まなかったりした。今回のオンラインスタディツアープロジェクトで海外の方と交流する事によって、自分の言葉で話す事の重要性を再度確認した。また、自分達自身が中国の同世代の方との交流をすることが未経験だったことから、「言葉も文化も異なる相手とのコミュニケーション」ということを十分に理解できておらず、日本語でのスライドづくりや通訳頼みでのコミュニケーションなってしまった。今後も自分中心で考えるのではなく、自分達と違う言語や文化を持つ人たちがいるということを念頭において生活することが大切だということを学んだ。
オンラインスタディツアーに参加させていただき学んだこと二つ目は、SDGsの課題解決のためには今回のようにみんなで全員で問題を共有して考えていかなければならないということだ。SDGsに防災という観点はない。しかし、これは防災が全ての17個の目標に関係しているからだ。このことは、防災を学ぶ者の一人として、至極当然のことのように知っている。しかし、全員が防災を学んでいるわけではない。防災について触れたり学んだりする機会がなかったり、興味がなかったりする人の方が大半だ。加えて、日本国内に住んでいると東日本大震災のことや阪神淡路大震災のことは知っているけれど、四川地震のことは知らないなどと、もともと災害大国日本なのに防災意識は薄く国外になるとなおさら希薄になる。国内と国外、よそはよそうちはうち、と勝手に自分の中で線引きをしてしまう考えこそが地球規模で考えるSDGsの課題解決に遠ざかってしまうと私は感じる。この課題の解決のために、このようなオンラインスタディツアーは、とても有意義なものであると思う。最初に自己紹介で好きな食べ物を述べたりする点は、親近感を感じることができ、次の中国にはこのような問題が、日本にはこのような問題があることを共有して考える際に、意見を言いやすくなった。なによりも、今後災害などが起きた際に、あの時オンラインスタディツアーで一緒に話した人は大丈夫なのか?元気にしているのか?と思うことができる。これが、国内と国外という小さな枠組みから脱却する第一歩であると思う。新型コロナウイルスの影響もあり、この二年間は海外に行くこと以前に外に出歩くことも激減した。そのため、地球規模で考えるSDGsの考え方が進みにくく、国内の問題、地域の問題、家の中の問題と、広い視野で物事見る機会が減ってしまった。たしかに、中国に行くのはまだ難しいかもしれないが、なによりも新型コロナウイルスの影響で発達したオンラインを駆使して、旅費も時間もかからずに今回は中国に行った気になった。オンラインだからこそできることはたくさんあり、今回の一回だけでも意識が変わった人も必ずいる。SDGsの課題解決のためには、まずは自分自身の意識を変え、全員が問題を共有して我がことのように考える必要があるのだと思った。
(神戸学院大学現代社会学部社会防災学科4年生 山村太一)
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