No.84「丹波農業フィールドワーク第3回:学生の感想⑦」

CODE未来基金の丹波農業フィールドワークでは、若者が農業を通じて食やいのち、地域や世界を学ぶ事を実践しています。
第3回は、稲刈りとサツマイモの収穫でした。暑い中、若者たちは、食を作る事の大切さや共同作業による助け合いの意味を学びました。参加した若者たちの感想です。
最後の感想は、第1回目から毎回参加している山村太一さん(神戸学院大学3回生)です。彼の中で災害、農業、そして国際協力がつながってきたようです。

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今回で農業フィールドワークも3回目の参加となりました。毎回毎回貴重な体験と学びを設けていただき、本当にありがとうございます。このような貴重なお時間を頂いたのだから、還元していくのが私の勤めであると考えています。この体験と学びを、どのように活かすかが私の最大の課題です。

3回の農業フィールドワークを通して常に疑問に思っていたのが、「農業」と「国際協力」の結びつきだ。また、ある別の人は「農業は防災そのものだ。」と発言する人もいた。私は、この結びつきについて全く理解できなかった。どう関係して、農業がどのような役割を担っているのか、2回もフィールドワーク参加させてもらったが、一番根底にある部分が曖昧になっていた。しかし、今回の3回目にて、ようやく一つの答えを出すことができた。その答えを気づかせてもらえたのが、今回の稲刈りだ。2回目の農業フィールドワークで田植えをして、今回収穫をすることができ、ようやく一連のサイクルを体験することができた。本当は2回目のフィールドワークで気づくべき点であったかもしれないが、3回目にてようやく感じた部分があった。

「いね」という言葉は、「いのち」が語源らしい。その言葉からも分かるように、稲とは日本人からしたら命そのものなのだ。不況が続けば、飢饉や争いにもつながってしまう恐れがある。それほど、稲とは生活に密に関わっている。したがって、村の人々の命にかかわることだから、田植えから稲刈りまで昔の人々は総出で育て働いてきた。汗水垂らして、一緒に助け合って生きてきたのだ。今回のフィールドワークでも同様に、みんなで稲刈りを汗水垂らして体験した。この「みんなで」というのが、とにかく重要なキーワードだ。みんなで同じ目標に向かって汗水垂らすことにより、様々な会話が生まれ助け合いが生まれ絆が深まっていくのだ。農業というのは、あくまでもツールでしかなく、そこから生まれくることこそが防災や国際協力に非常に大切なことであると感じた。上手くこの体験を言葉にすることがまだできていないが、とにかく私は今回の農業フィールドワークで防災と国際協力の真髄を垣間見することができたと思っている。特に日本人は、昔から農業を中心に生活してきた。
しかし、現代では競争社会が加速し、農業人口も減少し、農業を中心とした生活は遠いものとなった。したがって、私たち日本人は、こういった汗水垂らして一緒に頑張ることの意義を忘れてしまっているのではないかと考えた。また、田植えも稲刈りも今は機械で全部やってしまう。

私は岸下さんに「機械が発展した今の世の中で、手刈りをすることの意義は何ですか?」と聞いた。岸下さんは、原点でありここから全てが始まったと答えてくれた。私なりの解釈として、これからもっと社会は便利になり競争社会も加速し、society5.0へと進んでいく。しかし、いくら世の中が発展していっても、人と人との根本的なつながりの大切さは変わらないのではないかと考えた。

夜のミーティングでも、「10年後の未来は?」というテーマがあった。私は、どれだけ社会や文明が進んでも、根本的に大事な人と人とのつながりは忘れてはいけないことだと思った。今回のフィールドワークでも、新しく出会った人、久々に会った人と一緒に稲刈りができたこのつながりを大切していきたいと思う。
(山村太一)

*CODE未来基金の活動は、皆さんのご寄付によって支えられています。形のくずれた丹波の有機野菜は、コロナで困窮している子どもたちや在日外国人留学生に学生自身によって届けられています。これはフードロス削減にもなっています。
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