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No.67「丹波農業フィールドワーク第1回:学生の感想③」

CODE未来基金のプロジェクトとして、丹波市での農業フィールドワーク第1回を先日実施しました。
参加した学生のみなさんの感想を、順にご紹介します。
今回は、山村太一さん(当時 神戸学院大学2回生)の感想です。

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今回このような貴重な体験をさせていただきありがとうございます。この二日間は、私にとって非日常な体験ばかりで、良い刺激をたくさんもらえました。この農業体験を通して学んだことを神戸に帰って、どう活かすかが今の一番の課題である。

まず私は、今回の農業体験で大きく三つのことを学んだ。一つ目が、農業の奥深さだ。現地に着いて、最初にじゃがいもの芽を切る作業をやらせてもらった。この芽を切って植えるという、いたってシンプルな作業だが、各農家にやり方がバラバラであることに驚いた。じゃがいもの栽培は、もう何百年前から行われているはずだ。しかし、未だに方法は、各農家バラバラであり、農業に正解はないのだと学んだ。そして、同時に農業の奥深さを感じた。どの植え方も、しっかりとした理由があり何一つ意味のないことにも感心した。特に、じゃかいもの切り口に灰をつける工程は、化学と結びついていた。

二つ目は、実際に現地に行く大切さだ。よく学校の社会の教科書などには、食料自給率の低さの問題や高齢化の問題などがピックアップされている。私も今回の農業体験をする前までは、その程度の知識しかない中活動に挑んだ。しかし、現実はもっと残酷な状況であることに気がついた。教科書や本の情報だけで理解した気になることに、今回の農業体験を通して私は危機感を感じた。もちろん、本を読んで勉強することは大切だが、それだけでは圧倒的に足りないことに気がついた。実際に、現地に行き見て感じて話すことの重要性を改めて感じた。また、実際にこれらの課題に直面している方々の話は、一つ一つの言葉の重みが全く違ったため、自分自身の原動力にもつながった。コロナウイルスの影響で、今はオンラインが主流となっており、学校の授業でも現地に実際に行くことが極めて少なくなった。そのため、現地に行ったと仮定して、レポートや読書の授業が増えた。しかし、それでは学びとしては、不十分であると思った。反対に、今回の農業フィールドワークの反省点としては、現地でいきなり活動することが多く、「ムラとマチの奥丹波」の方々が主体となって、私は受け身になっていることが多かった。受け身になるのではなく、次は私たちがもっと主体となって動いていきたいと思った。従って、次回の農業フィールドワークでは、何について学びに行くのか、しっかりと焦点を絞って事前に知識をある程度蓄えた状態で行きたい。本で学んだことと実際に現地で学ぶことのバランスこそが、大切であると学んだ。

3つ目は、今の農業が抱える課題だ。食料自給率の課題、高齢化、農薬の安全性、慣行の農業など様々だ。これらの課題解決の難しさは、国民全員が分かってはいるが、そうせざるをえない現実、社会があることだと思う。慣行農業よりも有機農業で作られた野菜の方が、体に良いことは誰もが知っていることだと思う。しかし、それでも慣行農業の野菜を買う理由があるのだ。それは、経済的な理由であったり、見た目の問題であったり、供給数が少ないことであったりと様々だ。農業の問題を解決していくには、根本にある社会そのものを変えていかなければならないと感じた。一個人の大学生である私にできることは、とにかく知っておくことだと考えた。コンビニで買うカット野菜にも、生産者の方がいるということを意識することが大切だ。現代社会では、生産者の顔が見えにくくなっているが、そこに少し意識を持っていくだけで、食ベ物の見方はガラリと変わる。若い世代の方が、なぜ食料に興味を示さないのか。それは、生産者とのつながりが見えておらず、あるものだと思っているからだろう。この当たり前意識を、私も少しづつ改善していきたい。
(山村太一)