No.66「丹波農業フィールドワーク第1回:学生の感想②」

CODE未来基金のプロジェクトとして、丹波市での農業フィールドワーク第1回を先日実施しました。
参加した学生のみなさんの感想を、順にご紹介します。
今回は、柳瀬彩花さん(追手門学院大学2回生)の感想です。

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今回、CODEの農業フィールドワークに参加させていただきました。その中で、『ムラとマチの奥丹波』の皆さんの想いや学生の考えについて皆で話し合うという貴重な機会を用意していただきました。
農家さんたちから国へ伝えたいことを伺うと、「安全ではない農薬を安全だと言わないでほしい」と仰っていました。また、現在日本では食の安全よりも経済がまわることが優先されていて、農薬による健康被害や安全な作物かどうかを見極めることがあまり知れ渡っていません。そのため、消費者自身が食の安全を理解し、「NO」と言うことが不可欠であると強調されていました。
しかし、食の安全について、消費者にどの角度から訴えかけるといいのか頭を悩ませているそうです。そこで私は、災害と結びつけて伝えていくことで、食を含めた暮らし全体を見直すことに意識が向くのではと考えました。なぜなら、農業の「農薬による健康被害」と、災害の「いつ来るか分からない身の危険」はどちらも普段の生活と直結しているからです。
例えば、学校の授業で日頃の行動や普段口にしている物を繰り返し考える機会があると、自分事として捉えやすくなるのではと思います。また、農家の方の生の声を伺うことでシビアな現状を知り、食を見直すきっかけになると感じました。
それから、農家さんたちは「若い世代には感性を磨いてほしい」ということを仰っていました。ここでいう「感性」とは、美味しい野菜や調味料などの『本当の味』を知ることを指しています。さらに、「本当に良い調味料は使う量が少しでもしっかり味が付く」というお話があり、私は日々の生活の中で調整された味が自然と本当の味だと思いこんでいて、普段食べている物に対してあまりにも意識を向けられていなかったことに気がつきました。

また、今回は特産物を作ったりじゃがいもの定植の体験をしたりしましたが、どれも印象に残っています。その中でも、丹波黒大豆の味噌づくりでは驚くことがありました。味噌をつくる工程の、麹と湯がいた黒豆と塩をかき混ぜる作業を行っていると、湯気とともに独特な匂いがしました。そのことを農家さん方に伝えると、発酵し始めているからだということを教えていただきました。私は身近な調味料である味噌でさえ、作られる過程や本来作られる上でかかる手間を知らなかったことを痛感しました。

今回、農家さん側の話題で多く共通していたことは、「循環していく生活」や「現金収入がなくても食べていける力」の重要性です。そういった、生きる上で最も基本的なことはこれからの災害時やコロナ禍などにも試される力であると感じます。

他にも、市島豪雨で被災・復旧した場所の視察や、新鮮な野菜を使ったごはんのことなど、ここに書ききれていないくらい学びの多い2日間でした。自然に身を置いて知ったことや農家さんたちの想いを、これから自分の住むマチに伝え広めていきたいです。
『ムラとマチの奥丹波』の皆さん、CODE未来基金にご協力いただいた方々、本当にありがとうございました。次回も楽しみにしています。
(柳瀬彩花)

 

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