【CODE未来基金ネパールフィールド研修に参加した学生の感想文2】
CODE未来基金のネパールフィールド研修に参加した学生が学んだこと、感じたことをお伝えします。(吉椿雅道)
自分と向き合った12日間
神戸学院大学4回生 今中麻里愛
今回、立浪さんの企画でネパールの農村を訪れ、人と出会い、自分と向き合い、そして成長する機会を多く与えていただきました。参加を決めたのは、昨年8月の日中NGOボランティア研修に参加し、現場に行って話を聴くことの大切さを学んだからです。震災から2年が経つ今のネパールの現状を自分の目で見て確かめたいと思い参加しました。
研修中に自分のテーマとしていたことは「震災の被災者ひとりと向き合う」ということです。被災者と一括りにするのではなく、一人一人状況や考え方も違っていて、その中で「ひとり」と真剣に向き合い、寄り添いたいと思いました。
村歩きをしているときに75歳の村のお坊さんに話を聴く機会がありました。このお坊さんは震災で家もゴンパ(僧院)も潰れてしまっていましたが「家よりもゴンパを先に建ててほしいと思った」とおっしゃっていました。この言葉を聴いた時に、やはり話の聴くことの大切さというのが頭に浮かびました。外から来た日本人の私の考えでは、まず家を建てなければ…と勝手な思い込みをしてしまっていたと思います。話を聴かなければ現地の文化や宗教など何も見えてこず、勝手な思い込みで行動をし、結果、現地のことを何も考えていない一方的な支援になってしまうということを学びました。
また一緒に行ったメンバーからたくさんのことを学びました。初日に一緒に行った他のメンバーは積極的に質問をして村の人たちと交流をしているのに対し、私は何も行動に移すことができませんでした。遅れを取っている自分に焦りを感じ、どう動けば良いのかわからなくなってしまいました。その日に同行スタッフから他の人と競うのではなく自分なりの関わり方をしていけば良いと助言を頂き、次の日から自分なりの寄り添い方を考えながら村の人達と関わっていきました。その結果、相手と同じ目線に立ち、相手のことを考えた質問の仕方をすれば、楽しく話ができ、質問でない普通の会話から大切な村の現状が見えてくるということを学びました。
この研修の12日間は毎日、自分の未熟さや自分とは何なのかということと向き合い、辛いことも多かったのですが、こんなにも自分のことを深く考えることのでき、成長できる場は他にはなかったと思います。最終日に吉椿事務局長がおっしゃった「ネパールを通して日本が見え、ネパールを通して自分が見えてくる」という言葉がとても印象に残っていて、最短でも3日はかかる遠いネパールのグデル村ですが、私はこの村を通して「自分」ということを見つけることができました。また、遠いように感じるこの村に顔の見える繋がりができ、この村を支援したい、この人たちと一緒に村のことを考えていきたいと思うようになりました。
被災者と向き合うことで自分と向き合うことができ、自分らしさを見つけることができました。成長できる場を与えていただき本当にありがとうございました。この経験をいかし日本でできる自分なりの支援の仕方、CODEとの関わりを見つけていきます。