先日開催されたCODE未来基金報告会のようすが、神戸新聞、毎日新聞の記事になりました。CODEは、次世代のNGOの若者を応援しています。ご協力のほどお願いいたします。
CODE事務局長 吉椿雅道
月別アーカイブ: 2017年4月
CODE未来基金ニュース No.7
【2016年度CODE未来基金報告会が開催されました!】
昨日26日、こうべまちづくり会館にて「2016年度CODE未来基金報告会」が開催され、27名の方にご参加いただきました。CODEがこれまで支援してきた中国・四川省(2008年四川大地震)、フィリピン(2013年台風ハイエン)、ネパール(2015年ネパール地震)の被災地を訪れた若者たち8名からの報告が行われました。
未来基金のプレ企画として行われた「日中NGOボランティア研修」に参加し、四川省の光明村の人たちに出会った3名の学生からは、「自分の目で現場を見ることの大切さを感じた」や「具体的に浮かぶ顔ができた」、「出会い・つながり」などが語られました。また、フィリピンのセブ島、バンタヤン島の漁村に滞在した3名の報告では、「人の顔が見えた」、「自分のフィルターが柔軟でありたい」、「少し傲慢だった意識が変わった」などが語られ、ネパールのグデル村の山岳民に出会った3名は、「相手の立場に寄り添うこと」、「この村の将来を本気で考えたい」、「そこにあったのは、一人ひとりの声…だった」、「生活の様子を知る中で自然に人に寄り添う」などの言葉が語られました。
それぞれの被災地で若者たちがそこの人たちに寄り添おう、そこの暮らしを知ろうとする中で、若者たち自身が自分に向き合い、沢山のことに気づき、成長していっている姿が一人ひとりの言葉から伝わってきました。
その後のディスカッションやワークショップの中で、参加した高校生からは「自分の人生に価値がある生き方がしたい。海外の現場で働くことはかっこいい」という言葉が発せられ、また初めて参加した大学生からも「私も海外の現場に行きたい!」との言葉もいただきました。若者が自分たちの生の言葉で語る事で、次の世代の若者が刺激を受けている様子にこのCODE未来基金の希望や可能性を感じました。
最後は、「寄り添う、引き出す、学び合うという3つの支援が大切である。」という室崎CODE副代表理事の言葉でしめくくられました。
引き続きCODEはこの未来基金を通じて次世代のNGOを担う若者を応援していきます。ご支援・ご協力のほどよろしくお願いいたします。また、6月17日に開催される「CODEの夕べ」でこの未来基金の若者たちに再び語ってもらいます。ぜひご参加ください(CODE事務局長 吉椿雅道)
CODE未来基金ニュース No.6
【CODE未来基金ネパールフィールド研修に参加した学生の感想文3】
CODE未来基金のネパールフィールド研修に参加した学生が学んだこと、感じたことをお伝えします。
CODE未来基金フィールドワーク 感想
兵庫県立大学看護学部4年 立浪雅美
今回の私のフィールドワークのテーマは「村の生活の様子を知る」ということでした。将来途上国での国際保健活動に携わる保健師になりたいと思って今の大学に入学したのですが、大学での勉強や海外研修などを通して、貧困・災害・教育・医療など途上国の現場で生じるさまざまな課題は、現地住民の生活と密接につながっており、またそれぞれが複合的に関連しながら起きていることを学び、医療や看護のことだけ知っていてもだめなのだなと感じていました。未来基金でネパールに行く機会をいただけたことで、まずは村の人々がどんなふうに暮らしているのかを知りたい、実際に現地に行って自分の目で見て、村の人に話を聞いてみたいと考えていました。
ところが、現地でヘルスポスト(簡易診療所)の見学をしてスタッフに話を聞いた際、気がつけば私は、村で多い病気は何かとか、母子保健はどうなっているのかとか、看護に関することばかり質問攻めにしてしまい、周りが見えなくなっていました。診察を受けに来ていた村の人達がイライラしていたということにも、その日の夜のミーティングで指摘されるまでは気づけずにいました。「生活を知りたい」と思ってネパールに来たはずなのに、村の人に寄り添おうともせず、私は何をやっているのだろう…と、情けなくなりました。
「生活を知る」ためにはどうすればいいのか、始めは頭でぐるぐると考えていました。誰に何を聞けばいいのか、どこに行けばいいのか、考えれば考えるほどわからなくなって、逃げ出したくなりました。でもそこで、一緒に参加していたメンバーの2人が自然体で村の人に接していた姿や、目にしたものに素直に反応していた姿を思い出して、「頭で考えていても仕方ない。とにかく、自分が感じたものに正直になろう」と思い、村を歩いてみることにしました。すると、畑で葉っぱを収穫していたお母さんに出会い、家にあげてもらって、見よう見まねで料理を手伝って、ごはんを食べさせてもらうという体験をしました。言葉は全然わかりませんでしたが、普段こんなふうに暮らしているんだなと感じることができ、「生活を知る」という自分のテーマに、少しですが近づけた気がしました。
フィールドワークを通して、知識から入ろうとする視野の狭さは自分の弱みであるということに直面し、それに向き合うことはしんどい経験でもありましたが、他のメンバーや事務局の方に支えてもらったおかげで、自分の殻を破ることができ、新たな気づきを得ることができました。これから先、同じように知識先行になりがちな場面が出てしまうかもしれませんが、今回の経験をもとに、「今の自分は視野が狭くなっていないか?」と常に自問自答し、周りの人の声に耳を傾けられる柔軟さを持てるようになりたいと思います。
そして、今までの私は「将来“途上国”で保健活動をしたい」と漠然と考えていましたが、村の人ひとりひとりにお話を聞いたり、ヘルスポストのスタッフが村の人に自然に寄り添っている様子を見たりする中で、「このグデル村の人達にこれからも関わり続けたい」と思うようになりました。村の人の何人かとはSNSの連絡先を交換してつながることができたので、このつながりを大切にしながら、今回限りで終わりにするのではなく、絶対にまたグデル村に行こう、もっともっと交流を深めていこうと考えています。
CODE未来基金ニュース No.5
【CODE未来基金ネパールフィールド研修に参加した学生の感想文2】
CODE未来基金のネパールフィールド研修に参加した学生が学んだこと、感じたことをお伝えします。(吉椿雅道)
自分と向き合った12日間
神戸学院大学4回生 今中麻里愛
今回、立浪さんの企画でネパールの農村を訪れ、人と出会い、自分と向き合い、そして成長する機会を多く与えていただきました。参加を決めたのは、昨年8月の日中NGOボランティア研修に参加し、現場に行って話を聴くことの大切さを学んだからです。震災から2年が経つ今のネパールの現状を自分の目で見て確かめたいと思い参加しました。
研修中に自分のテーマとしていたことは「震災の被災者ひとりと向き合う」ということです。被災者と一括りにするのではなく、一人一人状況や考え方も違っていて、その中で「ひとり」と真剣に向き合い、寄り添いたいと思いました。
村歩きをしているときに75歳の村のお坊さんに話を聴く機会がありました。このお坊さんは震災で家もゴンパ(僧院)も潰れてしまっていましたが「家よりもゴンパを先に建ててほしいと思った」とおっしゃっていました。この言葉を聴いた時に、やはり話の聴くことの大切さというのが頭に浮かびました。外から来た日本人の私の考えでは、まず家を建てなければ…と勝手な思い込みをしてしまっていたと思います。話を聴かなければ現地の文化や宗教など何も見えてこず、勝手な思い込みで行動をし、結果、現地のことを何も考えていない一方的な支援になってしまうということを学びました。
また一緒に行ったメンバーからたくさんのことを学びました。初日に一緒に行った他のメンバーは積極的に質問をして村の人たちと交流をしているのに対し、私は何も行動に移すことができませんでした。遅れを取っている自分に焦りを感じ、どう動けば良いのかわからなくなってしまいました。その日に同行スタッフから他の人と競うのではなく自分なりの関わり方をしていけば良いと助言を頂き、次の日から自分なりの寄り添い方を考えながら村の人達と関わっていきました。その結果、相手と同じ目線に立ち、相手のことを考えた質問の仕方をすれば、楽しく話ができ、質問でない普通の会話から大切な村の現状が見えてくるということを学びました。
この研修の12日間は毎日、自分の未熟さや自分とは何なのかということと向き合い、辛いことも多かったのですが、こんなにも自分のことを深く考えることのでき、成長できる場は他にはなかったと思います。最終日に吉椿事務局長がおっしゃった「ネパールを通して日本が見え、ネパールを通して自分が見えてくる」という言葉がとても印象に残っていて、最短でも3日はかかる遠いネパールのグデル村ですが、私はこの村を通して「自分」ということを見つけることができました。また、遠いように感じるこの村に顔の見える繋がりができ、この村を支援したい、この人たちと一緒に村のことを考えていきたいと思うようになりました。
被災者と向き合うことで自分と向き合うことができ、自分らしさを見つけることができました。成長できる場を与えていただき本当にありがとうございました。この経験をいかし日本でできる自分なりの支援の仕方、CODEとの関わりを見つけていきます。
CODE未来基金ニュース No.4
CODE未来基金ネパールフィールド研修に参加した学生の感想文
2017年2月22日から3月5日までネパール地震の被災地であるグデル村を訪問した3名の学生さんの感想をお届けします。
【ネパールで学んだ、向き合うということ】
愛媛大学教育学部2年 高橋大希
今回訪れた所は、ネパールの首都カトマンズから車と徒歩で3日かかるグデル村というところだった。そこで僕は、主にグデル村という農村に住む若者のアイデンティティについて知りたいと思い、数日間の間その地域で活動をした。なぜそのテーマで活動したのかというと、僕が僕自身のアイデンティティに悩み、模索していたからだと思う。そこで、農村部の若者の答えを聴けば、自分自身何が本当にやりたいのかどうなりたいのかそういったものが見えてくるような気がしたのかもしれない。
テーマを持ちながら数日間たくさんの人の声を聞いたり、現地の文化を体験したり、現地の人の仕事を手伝わせてもらったりした。そういった経験から、沢山の事を学び、感じ、得たと思う。でも、最も欲しかった自分自身のアイデンティティの部分は、研修が終わった今もあまりまだよくわからないままだ。
僕が聴きたかった『ネパールの若者』という声は存在しなかった。首都に強いあこがれを抱いている若者もいれば、故郷が大好きだが家族のために出稼ぎに行く若者もいる、親がおらず17歳で小学校に通う若者もいる、そこにあったのは『1人1人』の声だった。
僕はどこかで僕ではなく、『日本の若者』のアイデンティティを模索していたのかもしれない。『ネパールの若者』という声が存在しなかったように、『日本の若者』を追い求めても答えは出ないだろう。今回の研修から僕は沢山の事を学び、得たと思う。しかし僕は僕自身のアイデンティティに関して確固たる答えを出せていない。今後は『日本の若者』でなくその中の1人である『高橋大希』が、どうなりたいか、どうしたいのかを大切にしていきたい。そうしなければ、何も分からないし、辿り着けないという事に気づくことが出来た研修だった。
CODE未来基金ニュース No.3
「学生3名がネパール・グデル村を訪ねました!!! 」
CODE未来基金のフィールド研修プログラムで、兵庫県立大学、神戸学院大学、愛媛大学の学生3名が、ネパール地震後、CODEが復興支援活動を行っているグデル村を徒歩2日間を経て、訪れました。学生それぞれが、「暮らしを体験させてもらう中で見える保健医療」、「震災の被災者一人に向き合う」、「故郷を出ざるを得ない若者たちの想い」などのテーマをもって被災地に向かいました。事前のミーティングで共有したのは、「一人ひとりの話しをじっくりと聴く」というものでした。標高2000m以上のネパールの山村という慣れない環境でも、学生たちは丁寧に被災者の一人ひとり声に耳を傾けました。時にたった一人で村を歩き、身振り手振りでコミュニケーションをはかりながら、そこの暮らしをほんの少し体験させてもらうことも行いました。村を離れる頃には3名の若者は、どこか垢が抜けたような表情になっていました。日本の常識、価値観、思い込みは、村の人や自然と触れる中でいつのまにか消えていました。そしてそれぞれが、…このグデル村でそこで生きる人や被災者に向き合い、仲間に向き合い、自分自身に向き合う事ができたようです。3名のその経験が、将来NGOに携わる際にきっと役にたつと確信しています。CODE未来基金を通してこの3名は、それぞれの道は違っても今後もCODEと共に歩んでいきます。
詳細は、未来基金合同報告会(3月26日14時~こうべ街づくり会館にて)で若者自身が語ります。
どうぞご参加ください。(吉椿雅道)
CODE未来基金ニュース No.2
「3人の若者、ネパールへ」
CODE未来基金では若者のNGOや国際協力への参加をサポートしています。2016年度後期未来基金プログラム募集で採択されたフィールドワーク「Discovery! 未来への可能性を広げよう」で兵庫県立大学の立浪雅美さんら3名の学生がネパール地震の被災地へと向かいました。
2月22日にネパールへ旅立った若者はCODEが耐震住宅再建プロジェクトなどを行うソルクンブ郡グデル村などを訪れ、村の生活を体験するなど12日間のフィールドワークを行います。この研修の中、住民と交流することを通して日本とは異なる生活様式や習慣、価値観、保健医療などに触れ、若者は異文化への理解を深めていきます。歩いて2日かかるグデル村を訪れるためにこれまで山歩きトレーニングも重ねており、村の人々が生活の路として使っている山道を歩きながらも現地の日常や問題、そして魅力を学んでいきます。
3月26日に開催する「CODE未来基金報告会」では、このネパールフィールドワークのメンバーも報告をさせていただきます。ぜひネパールを体験した若者の声を聴きに来てください。(上野智彦)