インドネシア・ロンボク島地震救援ニュースNo.14

今日(11月1日)は、Sembalun Bumbung (スンバルン ブンブン)村に行きました。
ここでも伝統家屋は全く倒れずに残っていたそうです。この地域は200年前に大きな地震があり、それ以来の大きな地震だったそうです。

スンバルン村の伝統建築
村人からのヒアリング

伝統建築に住んでいる村の人に話を聞いたときに、この地域には観光の名所となっている、富士山級の山Rinjiani(リンジャニ)という標高3726mの山があります。
その村の人は、「自然はいつもきれいで、人が間違った道に進むと、その間違ったことを教えてくれる」と「山には牛が放牧されていて、自然も豊かなのに、多くの観光客が山登りをして、自然をいじめたから、こんな大きな地震が起きたんだ!」と話してくれました。偉大な自然に抗うことがどんなに愚かなことかという戒めをまた改めてここロンボクでも聞くことができました。阪神・淡路大震災でも高齢の女性が、「海の神様が怒ったんだ」とつぶやいていたことを思い出します。また、小学校6年生の女の子が書いた詩の中で、「これから自然 いじめんのやめとこ」という一節があり、自然との共生がいかに大切なのかを教えられます。

この村でもみんな他の村と同じようにトラウマが酷いようです。例えば、女性は普段は農業の仕事をしていても、地震以来家が気になってあまり長い時間畑仕事はしなくなったそうです。きっと大部分の時間を家で過ごす女性にとっては、家はやはり大切なものなのでしょう。

Rishaの構造物
パネルをボルトで組み合わせる
住民の仕事としてのパネル作り

この村には政府の支援が始まっていました。「Risha」という木の変わりに鉄筋を入れたコンクリートパネルを組み合わせて骨組み造るように、政府が部材の提供と指導を始めているそうです。村の伝統家屋は1件も倒壊していないのに、こうした構法で建設することには複雑な想いです。住民はレンガづくりの住宅がことごとく崩壊しているので、木造でなおかつ伝統的な立て方での再建を望んでいます。同行している建築家北茂紀さんの耐震構造の技術が被災地に伝わることを願います。
具体的にはCODEのカウンターパートである建築家であるエコ・プラワット教授と北茂紀さんがコラボし、CODEのミッションでもある被災地域の文化や歴史を尊重した耐震技術移転が実現し、インドネシア独特の“ゴトンロヨン”が活かされるように努力しますので、是非継続したご支援をお願いいたします。            (増島智子)

まけないぞうをプレゼント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)