中南米ハリケーン支援 第5報

メキシコのクワテモックさんによると、メキシコ連邦政府や州政府のハリケーンスタンの被災者への対応が大幅に遅れています。5月22日にMUPから出された公式声明の邦訳です。尚、訳は翻訳ボランティアの方による仮訳です。
MUP(Movimiento Urbano Popular;都市住民運動)の公式声明
チアパス州のハリケーンStan(スタン)の被災者の惨事に対するメキシコ連邦政府と州政府の対応のずさんさ
南東メキシコ、特にHuixtla(ウイキシトゥラ市)、Cacahuatan(カカウアタン市)、Motozintla(モトシントラ市), Tapachula(タパチュラ市)といったチアパス州で、ハリケーンスタンが巻き起こした惨事から8ヶ月たったが、メキシコ連邦政府、および州政府の対応は、依然として人々の需要を放置したままである。政府にとって唯一の重要視する被災者はカンクンの豪華なホテル業者のみのようだ。 彼らは保険会社から保険金を受け取った上に、連邦政府や州政府からさまざまな援助を受け取った。その一方で、チアパス州の貧しい人や一般的に台風の被害を受けた人々は、後回しになっている。60,000以上の家屋が損害をうけたことだけでなく、200人以上の死者や、コーヒーの収穫の大きな損失、バナナや穀物畑の破壊、本日現在機能していない学校などに対しても、メキシコ政府はすみやかな対応が必要となっている。
 
それゆえ被災者は政府に必要な支援を求めて組織化される必要があった。これはさまざまな所で政府に回答を求めて戦ってきた被災者の事例である。モトシントラで数日前に起きたことと同じように、この災害の対応要請には弾圧でもって応えられた。さらに30人が逮捕される事態になった。罪状はこの6年間でよくこういった人々を逮捕するのに使われてきたもの、つまり“各種交通機関に対する襲撃”だった。警察は女性や多くのこどもの存在をほとんど重要視せず、同様にして市民に弾圧をくわえた。タパチュラ、Trinitaria(トリニタリア)、Escuintla(エスクイントラ)では、被災者が抗議しようと集まったところに、警察によるさらなる弾圧が行われた。
チアパス州は大きな災害をもたらせた自然災害、すなわちハリケーンスタンに苦しんできた。しかしさらに、メキシコ政府という脅威からも被害を受けた。メキシコ政府がチアパス州に厳しい態度をとったのは、市民の大半が貧しいことや、その地域には多くの旅行者を呼ぶホテルもなく、“Riviera chiapaneca”(観光資源になるもの)もなかったからであろう。よって被災者は絶望し、Suchiate(スチアテ)、Hidalgo(イダルゴ)などのグアテマラ国境で、交通を妨げ、政府の注目を得ようとした。数日前には解決を求めて州政府の建物の前でこどもたちがハンガーストライキをしているという悲劇的光景がみられた。そういった動きがあったものの事態に無関心な市警察、州警察、連邦州当局は、見向きもしない。当局側は、被災者支援によって取引をし、進行中の選挙キャンペーンに利用することばかり関心があるようだ。そうして実質的な援助はわずかにしか行われなかった。さらに被災者は取引を妨げることのないよう、公式な避難場所であるタパチュラ市場を追い出され、再び危険の残る地域に住まわされた。もっとも運のよかった恵まれた者は、支援として金を受け取ったものもいた。もっとも重大なことは、泥やごみであふれた川がまだ整理されておらず、川が危機的状態にある、ということだ。チアパス州の520kⅿのごみの流れる川について、政府は次の雨季までに整理をする、と約束していたが、まだ10%しか達成されていない。次の雨季がくると危機に瀕した流域は拡大するというのに、50kmちょっとしか済んでいないのだ。そしてそのシーズンはもう始まっている。Suchiate(スチアテ)、Cacahoatan(カカオアタン)、Coatan(コアタン)、Coatancito(コアタンスィト)、Huixtla(ウイキシトゥラ)、Cintalapa(シンタラパ)、Vado ancho(バドアンチョ)、Belisario(ベリサリオ)、Novillero(ノビジェロ)、Los Arenas(ロスアレナス)、Tepuzapa(テプサパ)、Tuzantan(テサンタン)、Zunateco(サナテコ)、Pumpuapa(プンプアパ)にいたる川の清掃は、亀の様なのろさで進められたので、もう最初の雨季の洪水が起こってしまった。ハリケーンのシーズンが始まると、住民への危険はさらに増す。
このように政府は要請、クレームなどの対応をおろそかにしてきた。問題を解決し、責任を果たすことよりも、裏切り、弾圧することのほうに重きをおいているようである。Organiciones Indepemdientes de Chiapas(チアパス独立機関)、Asociacion de Productores(A.C)(生産者協会)、Asociacion Agricala del Café(コーヒー生産者協会)、Los Fruticultores del Soconusco (ココア生産者)、las Asociaciones de productores de Platano(バナナ生産者協会), de soya(豆生産者協会)、la Asociocion de Agrosilvicultura(農林業協会)、さらにlos Colegios de Ingenieros Civiles(市の学校の技師の協会)、Arquitectos (建築家)、Abogados del Estado(州の弁護士)の各連合などの組織を通して政府のよい回答を得ようとしたが無駄であった。それゆえ、ココア産業、海辺、山地の被災者の委員会の代理人が内務省の建物の前でハンガーストライキを起こし、約束を取り付けることもあった。
ハリケーンスタンから8ヶ月がたつが、十分な住居はなく、川は依然としてごみであふれており、被害を受けたことは忘れられている、といわざるを得ない。我々はまずは州政府に、続いて国や各都道府県に訴えてきた。政府は被害者の惨事に対し、犯罪に匹敵するような怠慢な対応をしてきており、援助をするという甘い口実で被災者をもてあそんできたからだ。我々は次のハリケーンのシーズンがくる前にできるだけ責任のある行動をとりたい。
今日我々は彼らがその苦悩や不安から解放されるように、この訴えを国連の国際機関やCNDH、CIDH、国際報道機関に届けようと思う。
我々MUPは、Atecoの住民が苦しんだ暴力的糾弾について、そして政府がおこったことを覆い隠し、曲げようとしてたくさんの嘘をついているということを述べずしてこの公式声明を終わらすことはできない。
被災者たちに即座の対応を求める!これ以上だますことも遅らせることも、政治的にもてあそぶことも必要ない!チアパス州の川を清掃するように!抑圧をやめよ!チアパス州の、そしてメキシコ連邦の政治犯を解放するように!不当に追い出された外国人が戻れるように!
全国民の結集を
Movimiento Urbano Popular