ジャワ中部地震から6か月 (No 6)

ジャワ伝統の家は壊れていない!

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 ジョグジャカルタには有名なヒンズー教寺院「ブランバナン」がある。震災後まだ十分な修復ができていないため、中に入ることができない。その近くに、ブランバナンより小規模のヒンズー寺院「プラオサン」があり、すぐその前の集落がこの地震でかなりの被害を受けていた。9割近くが壊れている状態だが、その中でほんの少し損傷した程度の家がポツンと1軒だけ建っている。その家は、伝統的なジャワ建築である。持ち主に鍵を開けて貰って家の中も見せていただいた。この家の基礎には、大きめのブロックや石垣に使うような石や煉瓦などが使用されており、大屋根を支える基本の柱はクリ石のような礎石の上に乗っている。駆対となる垂直の柱とそれらをつなぐ横桟は、ほぞを掘って差し込んだり、くさびを差し込んだり、釘を使わない組み方である。このような姿を見ていると、ほんとに日本の伝統的な在来工法による木造住宅を思い出す。材料は全てが竹と木材である。
 前回、「地域の資源で家をつくれば、地域の財産だ。」と言った。もし、家に使用することを前提として木材や竹やヤシの木を、丹誠込めて育てればどういう感情になるだろうか?新潟中越の豪雪の中で育った木材だから、信頼でき、安心して住むことができるのと同様、やはり安心できるのではないだろうか?「信頼」と「安心」を裏付けるものは、自分たちが住む地域であり、地域を育てる人の顔がはっきりと見えるからだろう。お金さえあれば、良質で大量生産も可能な鉄筋やセメントでは「顔は見えない」ということに気づく。「揺れても怖くない!」とはそういうことだったのか。