イラン・バム地震より2年 パート L

昨年の夏以降にみなさまのご支援のお陰で成立しかけた、バムの地場産業である”レンタル・デーツ農園”支援プログラムがピンチに陥っています。というのは、今年のバムのデーツは全体に売れ行きが悪く、バムのデーツ産業全体がピンチのようです。CODEが支援している”レンタル・デーツ農園”というのは、「そんなおいしい話があるの?」っということから始まった事業です。そもそもデーツの収穫時期になると、デーツ農園のオーナーも忙しくて放置したままになるケースも少なくないという現実があったのです。
そこでAHKKセンターの土地のオーナーが、そのような農園オーナーの一人でもあったことからレンタルの話がでてきたのです。「おいしい話」というのは、レンタル料を払えば、その農園で収穫できるデーツは借り主のものとなり、販売すれば収益になるということなのです。
ところがこの件について、CODE理事会で協議し、かなりスピーディーに借り受けるという結論を出したのですが、タッチの差でこの話は不成立に終わったのです。農園を借り受ける話は、今年に持ち越されているのですが、とりあえず昨年度から今年にかけて収穫したデーツは、仕入れをして大型冷蔵庫に保管しているのですが、先述したように売れ行きが悪いため、新年(3月)になってからの好景気に期待するという状況です。
こうなると結果的には冷蔵庫を買っていてよかったということになりますが、しかし値崩れしないような形で販売できることを祈るしかありません。なんとか売上げを上げて、今年こそは農園ごと借り受ける、という形にしAHKKセンターの運営費やセンターを出入りする人たちのしごとづくりにつながればと願うものです。
さてみなさん!実は当CODEの事務所には庭があり、そこにバムから持って帰って来たデーツが初めての冬を越えようと頑張っています。イランのような暖かいところで育つデーツなので、この神戸の寒さでは冬を越せないだろうと思っていたのですが、以外と強く先日来の雪を被っても、必死で耐えているようなのです。上手くこの冬を越せれば、きっと今年の梅雨どきにはグングンと成長することでしょう。この庭で育つデーツは、実は種からの生育なのです。たわわと実がなり、バム産デーツが私たちの口に入るほどに育つには30年かかるといわれています。
2003年12月26日のイランバム地震という悲しい出会いから”KOBE-バム”という、まさに地に根の生えたしっかりした新たなつながりが生まれようとしています。年明けから、少しでもこの寒さから守ろうと、ダンボール箱でデーツの葉を囲んでいるのですが、ほんとにこのデーツは特別強いように思います。おそらく日本のどこを探しても、他にはないので比べられないのですがね!(笑)
(事務局 村井雅清)
*デーツ:なつめやしの実で、日本の味覚で言うと”干し柿”のさらに甘い味のする果物です。お好み焼きソースの原料にも使われており、実は阪神・淡路大震災で被災を受けたオリバーソースさんでもイラン産のデーツを使っているそうです。