ハイチ地震レポートNo.25

日本政府は、ハイチへの国連平和維持活動(PKO)に自衛隊を派遣することを閣議決定し、6日に第一陣160人が日本を出発した。
 地震発生から3週間が過ぎたが、いくつかの報道を見ても、まだ水や食糧、医療が届いていない被災者が数十万人もいるという。まだ、緊急救援を第一とする応急対応のフェーズと言える。
 先日、日本の国際緊急援助隊医療チームとしてハイチに派遣され、医療活動をされた看護師中井隆陽さんの現地報告会が大阪で開かれたので、聞かせていただいた。
 同医療チームは、スリランカの兵士に守られながら、看護学校の敷地にテントを張って18日から25日の1週間医療活動をし、534名の被災者の治療にあたられた。ほとんどが骨折などの外傷とのこと。これまでに充分な医療環境にないため、傷口が悪化し、大腿部から切断という大がかりな手術を必要とするケースもあったとのこと。乾季であることから朝方は20℃くらいで、日中は30℃を超す暑さにもなる。幸いこの看護学校は壊れているものの、水とシャワーは確保できたということで生活環境は最悪な事態を免れたようだ。そしてこの看護学校の学生が、献身的に手伝ってくれ精神的にも随分助けられたと中井さんは感謝されていた。
「レオガンの人は落ち着いている。」「持って生まれた明るさがあるようだし、自分たちで何とかしよう!というエネルギーを感じられる。」「生き抜く生命力を感じる。」などと中井さんはハイチ人のことを見ておられたが、ほんとに自分たちで変えて行くんだ!という振る舞いがあちらこちらで見受けられ、「勉強になり、感謝している。」ハイチの人たちにお礼を言いたいとおっしゃっていたのが印象的だった。「自助」「共助」で、次のフェーズ「復旧・復興」に早く移行できることを祈りたい。
以下は、23号から紹介しているニュース(THE JAPAN TIMES/Michelle Faul ポルトープランス AP)の続きである。
-ハイチ人が震災後の米軍介入を歓迎しているように見えるが、それが何の前兆なのかと心配する人もいる。「ハイチにマーシャルプランが必要だというのは事実です。しかし、何のために?」とソーカー氏は言う。彼はハイチのエリートを非難する。主に、明るめの肌の少数派だ。彼らには、競争力あるハイチを作ることへの関心はない。
 「これらの人々は、災害から私腹を肥やそうと、組織化する苦しみの中にいる人たちだ」とソーカー氏は言う。オバマ氏はこう約束した「1億ドルを彼らの手に」。
 ハイチ系アメリカ人で、ホテル経営者・ミュージシャン・コメンテーターであるリチャード・モース氏は、ワシントンとハイチ内の同盟者の利益は衝突すると言う。「ワシントンは民主主義を望んでいる。自由主義マーケットを、安定性を望んでいる。しかしこれらは、ハイチの90%の金を支配する同盟者の利益と相反するものである。彼らは独占によって富を蓄え、人口の80%を読み書きが出来ないままにし、安い労働力として提供しようとしている」
 ソーカー氏は米国の支援がかならず生産的な集団(例えば農家など)に渡るようにしなければならないと言う。外国の食糧を輸入し、農業生産を激減させ
てきたような輸入業者には渡してはいけないと。ハイチは、アメリカ産米の輸入業者が農民を強制的に都市に移動させるまでは、主要作物である米については自給自足してきたのだ。-

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