エクアドル地震ニュース No.7

4月16日に南米エクアドルで発生したM7.8地震から1カ月が経過しました。この地震によりマンタ、ポルトビエホ、ペデルナレスなどのエクアドル沿岸の街で多くの建物が倒壊し、大きな被害が発生しました。これまでに死者661名、負傷者7000名以上の被害が発生し、現在も2万9000名の方が避難生活を送っています。今なお余震が頻発しており、4月16日以降、1500回以上の余震が発生しました。これらの余震による建物の崩壊を恐れて道端で寝ている住民も多くいます。
地震から1カ月が過ぎた5月18日にはマグニチュード6クラスの大きな余震が2度発生し、さらに被害が広がっています。エクアドル政府によると、この余震で1名が死亡、123名が負傷、少なくとも99の家屋が被害を受けました。
被災地の避難キャンプで活動するNGOは「今のところ被災者が最も望んでいるのは住む家の再建、もちろん安全な水を手に入れる方法がない事や食料が配給のみで賄われていることも問題で、今後このキャンプでの生活が2か月以上は続くのではないか。」と言っています。
また避難者の方々は仕事への不安も口にします。大きな被害を受けたマナビ県は日本でも親しまれているバナナやコーヒー、カカオなどの農業や漁業、そして観光業が主な産業となっています。今回の地震で多くのホテルや観光名所が倒壊したことから特に観光業への被害が大きくなっています。農業、石油産業から観光業に経済の中心をシフトしている最中であり観光で生計を立てている方は多く、生活手段を失ったことに大きく肩を落としています。政府も観光地の復興のために力を尽くすと表明しましたが、観光を完全に再建するには何年も必要だと述べています。

そのような中で、被災した住民が元の生活を取り戻そうと立ち上がっています。被災地のエスメラルダスでは被災した農業団体が避難キャンプの支援活動を展開しています。また観光地に人を呼び込む第一歩として道路に散乱したがれきの片づけボランティアを住民が開始しました。エクアドルの経済は地震前から悪化しており、さらに政府は復興財源を確保するための増税も打ち出し、被災者は今後の生活に大きな不安を感じています。復興への展望が見えない中でも少しでも早く生活を取り戻すため、住民の手による生活再建が始まっています。(上野智彦)

☆救援募金にご協力下さい
郵便振替:00930-0-330579 加入者名:CODE
*通信欄に支援先を明記してください。(例:「エクアドル」)
*募金全体の25%を上限として事務局運営・管理費に充てさせていただきます。
*クレジットカードをご利用の方は下記ページからご寄付いただけます。
http://www.code-jp.org/cooperation/index.html

エクアドル地震救援ニュース No.6

4月16日にエクアドルで発生したM7.8の地震から3週間が経過し、国立リスク管理事務局(SNGR)によると、これまでに死者660名、負傷者17000名以上という被害が出ています。USAIDによると最大72万名もの人が人道支援を必要としています。そんな中でエクアドル首都キトーの高校では授業の一環として学生が物資仕分けボランティアなどに参加しており、平日のボランティア不足を補っています。

エクアドルの被災地ではジカ熱やデング熱、下痢疾患などの感染症の発生が警告されています。スペイン語で赤道を意味するエクアドルは熱帯地域に属しています。標高2800mに位置する首都キトーなどの山間地域は1年を通して15℃程度の非常に過ごしやすい気温となっていますが、今回の被災地となった沿岸地域は1年中30℃近い気温の高温地域です。パンアメリカ保健機関(PAHO)は「このような高温、そしてきれいな水がない状況では下痢疾患が発生する危険性が高い。手洗いや安全管理されたチルド食品による感染症予防が必要。」と避難所などで啓発活動を行っています。また蚊の発生に伴うジカ熱の感染も警告されており、影響の大きい妊婦などはホテルや屋内の避難所になるべく留まるように啓発されています。

ハイチ地震の際には医療支援が後回しにされ、避難キャンプでの医療物資や医療スタッフの不足が発生し、8500名以上がコレラによって亡くなりました。また熊本地震の避難所でも気温の上昇から食中毒が発生し、23人の方が腹痛などにより病院へと運ばれるなど衛生面の対策がさらに重要な時期となっています。エクアドル、熊本と2つの地震が発生してから間もなく1カ月が経過します。阪神・淡路大震災の震災関連死の内約4割は発災後1カ月以上経過してからのものでした。ジカ熱に対して妊婦の体調面に気を配るように、高齢者や子ども、注意勧告などを読むことができない外国人などの避難生活の悪影響を受けやすい人たちを周りの人たちで支え、声なき声に耳を傾けなくてはいけません。
(上野智彦)

エクアドル地震ニュース No.5

エクアドルで今月16日(日本時間17日)に発生したM7.8の地震から10日が経過しました。これまでに死者655名、負傷者17,638名、不明者48名という大きな被害が出ており、今なお29,067名もの方が避難しています。九州と同様にエクアドルでも余震が頻発しており26日までに936回の余震、25日にはM5の大きな余震が発生しました。余震や避難所での暮らしにより被災者の方々の疲労はピークに達しています。

前回のニュースでボランティアが多数被災地に入っているとお伝えしました。しかし、その後、首都キトーの物資集積センターでは25日以降ボランティアの数が急激に減少しており、現在は人手が足りていない状況にあります。現地メディアはボランティア減少の理由の一つが16日の発災以降活動が続いたことによるボランティアの疲労にあると報じています。いつ元の生活に戻れるのかわからない不安の中で被災生活が長期にわたる可能性もあります。このままボランティアが減っていくと、本当にボランティアが必要な時にいないということが心配されます。

 熊本でもゴールデンウィークには多くのボランティアが被災地に入ることが予想されていますが、連休後も長期間に渡りボランティアの力が求められます。避難生活が長引くにつれ被災者の疲労、心労が積み重なっていきます。より必要とされる時に被災者を支えるためにも、ボランティア一人ひとりは自らの体調、疲労も考えながら無理のない活動を行っていくことが大切です。
(上野智彦)

☆エクアドル地震救援募金にご協力下さい
郵便振替:00930-0-330579 加入者名:CODE
*通信欄に支援先を明記してください。(例:「エクアドル」)
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*クレジットカードをご利用の方は下記ページからご寄付いただけます。
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エクアドル地震救援ニュースNo.4

エクアドルで16日(日本時間17日)に発生したM7.8の地震から今日で5日が経過しました。マンタ、ポルトビエホ、ペデルナレスなどエクアドル沿岸の町を中心に大きな被害が発生しており、ABCニュースなどによるとこれまでに少なくとも587名が死亡、さらに100名以上が行方不明となっており、今後も被害が増加することが予想されています。エクアドルのコレア大統領は「我々は今最大の困難に直面しているが、これはまだ始まったばかりだ。」と被害の大きさ、影響が長期間に及ぶことを国民に訴えました。また政府としては災害対策資金確保のために消費税を12%から14%に引き上げることを決議し、1年の時限立法、所得税の引き上げなど経済対策の検討を始めました。
一方でエクアドル国内での支援の動きも活発になっており、政府だけに頼らず自ら被災地支援をと考える住民らはSNSなどを通じて求めがあった支援物資を被災者に直接送るほか、被災地にボランティアに入るなど市民独自の支援が動き始めています。かつてメキシコでは1985年に発生した大地震をきっかけに民衆運動が生まれ、政治への市民参加が飛躍的に進みました。エクアドルでも今後、市民の動きが活発化していくかもしれません。

 CODEは58回目となる救援活動を開始しました。現在、エクアドルのNGOやチリ、メキシコのカウンターパートから情報収集を行っております。どうぞご協力お願いいたします。

<被災地の情報>
・ペデルナレスでは5か所の避難所開設済み。主に学校。1880人が避難。他の避難所にもペデルナレスとマナビの近隣被災者が合計23,506人避難。
・全国各地のエクアドル国立文化センターは、ボランティア研修(ワークショップ)を実施予定。

<被災者の声>
・「警察署で食料キット配布。朝の8時に並んで12:30に受け取った。」
・「近隣の人々は皆泣き叫んでいました、この世の終わりだと。」

エクアドル地震救援プロジェクトを開始いたします。

2016年4月16日18時58分(日本時間17日8時58分)に南米エクアドルでM7.8の地震が発生いたしました。CODEは発災直後より、これまで連携してきたメキシコやチリのNGOを通じて情報収集を行ってきました。発災から3日を経て、その被害の甚大さが判明してきたことから、CODEはエクアドル地震の救援プロジェクトを立ち上げるに至りました。今後、現地のNGOを通じた支援を考えていきます。
同時期に発生した熊本地震の被災地でも余談を許さない状況が続いておりますが、阪神・淡路大震災を機に生まれたCODEは、「困った時はお互い様」を胸に熊本でも、そして地球の反対側のエクアドルでも出来る限りの支援を行っていきたいと思います。このエクアドル救援は、阪神・淡路大震災から58回目の救援活動になります。どうぞご支援、ご協力のほどお願いいたします。(事務局長 吉椿雅道)

【エクアドル地震の概要と被害状況】(4/20現在)
発生日時:2016年4月16日18時58分(日本時間17日8時58分)
規  模:M7.8
震  源:首都キトの北西約170 km 深さ19km
被  害:
(人的被害)死者:525人
負傷者:4600人以上
行方不明:231人
被災者:約10万人
(家屋被害)約1500棟
(学校被害)119校
被災地:マナビ州ペテルナレス、マンタ、ポルトビエホ、グアヤキル
エスメラルダス州エスメラルダスなど(*被害情報は、エクアドル内務省、UNOCHAより)

☆救援募金にご協力下さい
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エクアドル地震情報No.3

「熊本もエクアドルも!救えるいのちを!」

エクアドルで16日(日本時間17日朝)に発生したM7.8の大地震から48時間が過ぎました。すでにメキシコ、コロンビア、ペルー、ベネズエラ、スペインなど9か国から救援隊が入り、熊本の被災地同様、懸命な救助活動が今も続けられています。そしてエクアドルでも余震が300回を超え、沢山の被災者が路上で不安な夜を過ごしています。

 CODEとつながるメキシコ、チリのカウンターパートからの情報によると、現時点で413名が犠牲になり、負傷者は2700人を超えたようです。最も被害の甚大なペテルナレスは、電気もなく、街の80%の家屋が倒壊しているようです。また、CODEの翻訳ボランティア、Fさんからの情報では、最も被害を受けたマナビ州では約200名が亡くなり、ガラパゴス諸島を含むすべての州の海岸線で非常事態宣言が出されています。未だ行方不明者が数百人いるようで、被害は今後も拡大すると思われます。

コレア大統領は「ガレキ中の命を探すことが最優先だ!」と語ったように熊本でもエクアドルでも、ガレキの下でじっと救助を待つ人たち、避難所で不安な想いでいる人たち、車で寝泊りする中でエコノミークラス症候群の恐れのある人たち、「救えるいのち」を救う支援が求められています。(吉椿雅道)

エクアドル地震情報 No.2

熊本地震の被災地では、連続的な余震や雨などで予断を許さない状況ですが、地球の反対側の南米エクアドルでも昨日、18日9時頃(現地時間17日19時頃)にM7.8の地震が発生し、大きな被害が出ています。エクアドルでは、2000人以上の死者を出した1906年のM8.8の地震・津波以降、15年から20年ごとにM7クラスの大地震が発生しています。
CODEはメキシコやチリのカウンターパートを通じて情報収集を行っています。日本時間18日11時時点での被害の状況は以下の通りです。(吉椿雅道)

(人的被害)死 者:262人
負傷者:2557人
被災者:約10万人
(家屋被害)全 壊:370棟
半 壊:151棟
(被災地)マンタ(死者、家屋倒壊)、ポルトビエホ(死者、家屋倒壊)、グアヤキル(家屋倒壊、陸橋崩落)、ペテルナレス(家屋倒壊)
(*被害情報は、エクアドル内務省、UNOCHAより)

エクアドルで発生した地震

4月14日から熊本で大規模な地震が発生し多くの被害が出ていますが、本日4月17日午前7時58分(日本時間)、地球の反対側の国エクアドルでも大きな地震が発生しました。これまでに死者77名、負傷者約600名の被害が発表されていますが、今後も被害者数は増えると予想されています。アメリカ地質調査所(USGS)はエクアドル国内では1987年3月に発生したM7.2、死者1000名以上の地震以来の大きな地震と発表しています。当初、津波発生の警告が出されていましたが、既に警戒は解かれています。
CODEはチリやメキシコのカウンターパートを通じて情報収集を行っています。新たな情報が入り次第お伝えさせていただきます。

発生日時:2016年4月16日18時58分(日本時間:17日7時58分)
震源:Muisneの南南東28km、Santo Domingoの北東112km 深さ約19km
規模:M7.8(USGS発表)
被害:死者77名、負傷者約600名(17日17時現在)