No.49「イベント報告:震災26年企画 ポストコロナに向けて、『いま』、1.17とどう向き合うか?」

阪神・淡路大震災26年目の1.17より、1か月となりました。先日、震災26年企画として「ポストコロナに向けて、『いま』、1.17とどう向き合うか?」をオンラインで開催しました。
そこでの議論についてレポートいたします。

開催にあたり、CODE理事の村井雅清から、コロナ禍の「いま」1.17と向き合う上での大きな歴史上の位置付けについて概説され、ボランティアの起源とも重なるかつてのアソシエーションが、人と人との連帯を意味していたと指摘されました。また、被災者主体と補完性の原理が根本であり、被災者の声を代弁するボランティアのことばに向き合うことが原点であると語られました。

前半は、阪神・淡路大震災での経験を振り返りつつ、コロナ禍での問題意識を共有しました。コロナで人と人との壁が厚くなりつつある今こそ、自分以外の人のことをいかに想像し、つながっていくかが重要であるということや、現場で起きているリアルを伝えるうえでの信頼関係の構築の重要性などを確認しました。また、コロナ禍の被災地で県外ボランティアが制限される状況について、ルールで縛られている以上に、各々が「自粛」という空気に支配されていることの問題点が指摘されました。

後半は「ポストコロナに向けて」として、熊本県球磨村渡地区の大原伸司さんから2020年7月豪雨の被災地での取り組みについて、追手門学院大学2回生の柳瀨彩花さんからコロナ禍での地域での取り組みについて話題提供いただきました。お二人とも、「被災者」とそうでない人とをつなぐ役割をとの思いから、身近なところからできることを始めています。柳瀨さんは「当初は何か大きなことをしなければと思っていたが、自分の足元にいる人を思いやることはできると気づいた」と語りました。一方、大原さんからはボランティアのいない被災地での、被災者の不安、孤立など厳しい状況も伝えられ、「ぜひボランティアに来てもらいたい」との言葉がありました。

総括としてCODE代表理事の室﨑益輝より、「自粛」の気持ちを乗り越え、困っている人がいれば手を差し伸べるというボランティアの原点に立ち戻るべきとの指摘があり、そのためのやり方をもっと能動的に探し、生み出し、広げていくことが必要と語られました。さらに、コロナの問題をきちんと議論して解決しなければ、次の巨大災害には対応できないことも指摘されました。

今回の企画では、「1.17と向き合う」ことや、議論された一つひとつのテーマを深めることは時間的にも不十分となってしまいました。今後、改めてテーマを設けて深めていく企画を実施していきたいと考えています。その際はみなさまぜひご参加ください。

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