No.22「海外からの学びを日本へ④-オーストラリア-」

「海外からの学びを日本へ④-オーストラリア-」
現在、イタリアや韓国が規制を解除し始めていますが、オーストラリアでも約1か月半のロックダウンを経て、5/2から一部規制を解除し始めています。全土での新規感染者が、20人未満に抑えられていることが理由のようです。(5/3時点のオーストラリアの感染状況:死者数95人、感染者6801人)
オーストラリアは、3月18日、「100年に一度の出来事だ」として、昨年の大規模な森林火災と同様に非常事態宣言を出しました。その後、オーストラリア住民以外の入国禁止、レストランは配達と持ち帰りのみ、図書館、映画館、ジムなどの閉鎖、家族以外の集会は二人まで、国内の州を越えることを禁止など事実上のロックダウンとなりました。これらに違反した場合は個人に約1万3000ドル(約90万円)、6か月の禁固などの厳しい罰則が設けられています。 

 2008年の四川地震でCODEと共に光明村でボランティアを行った女性Yさん(パース在住)に、コロナ禍でのオーストラリアのボランティアについて聞きました。

 Yさんによると、オーストラリアには、「Hamper」というクリスマスやイベント時にお世話になった人にギフトボックス(日本のお歳暮?)を贈る習慣があるそうで、チャリティー活動でも一部寄付に使われていたそうです。
Yさんは、このコロナ禍でも「失業して家計の厳しい家庭がたくさん出たので、食料生活用品をバスケットに詰めて、Hamperとして ボランティアが配るのが盛んです。このHamperにお金を出す人もいれば、物を提供する人もいます。」と言います。
ボランティアの感染防止について聞くと、「マスクや手袋はもちろん、消毒は行っています。ボランティアが配達する際も、配達先の 家庭と密に連絡を取り、直接コンタクトしないようにしています。荷物が重いので配達ボランティアは男性が多く、適度な距離を保ったり、配達は、ドライバーは一人のみにしたりと厳しい制限の中、工夫しています。」
その他、高齢者や車を持っていない人、自宅隔離中の家庭などへ食料生活用品を配達するボランティアは沢山あるそうで、「元々、高齢者介護や身障者用のサービスはありますが、60代以上で持病を持っている人や80代以上は、家を出ないのが原則なので、今回かなり 需要が増え、ボランティアを募集しています。」、「大手スーパーも前から配達を行っていましたが、緊急事態宣言以降、高齢者宅、障がい者宅、保健所から認可された自宅隔離者宅の配達を優先して行っています。」とYさんは語ります。

 誰に注目し、どう支えるか、そして馴染みのある習慣を活かすこと、ボランティアができることを教えてくれています。(吉椿)

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