チリ地震救援レポート4

チリ地震被災地のコンセプション市に入ったI さんから現地の状況が送られてきましたので、ご紹介します。2月28日に日本を発って、アルゼンチン経由アンデス山脈越え陸路でチリ入りし、3月4日にコンセプション市に着いたそうです。
・倒壊家屋:鉄筋コンクリートの建物で完全に崩壊しているのは、本日見た範囲ではこの15階ビルのみだったようです。レンガ造りの家屋は倒壊しているものも認められました。
・救出活動のひと段落:マスコミで報道されているものと思いますが、15階ビルが倒壊し救出作業が行われておりました。現在はこの建物も含め、救出活動はひと段落のようです。
・略奪は収まっております。軍隊が治安維持に出動し、店舗の前などに銃を持って立っています。また、夜6時から昼12時まで外出禁止令が出されています。外出できるのは日中の6時間です。
・物資の不足:引き続き物資は不足しています。数少なく営業している小売店やガソリンスタンドの前には市民が列を作っております。1時間ほど車で走り隣町まで行くと物資は豊富です。
・現地報道によれば海岸沿いに津波による被害も発生しているようですが、道路事情が悪くたどり着けそうもありません。

チリ地震救援レポート3

チリ地震についてOCHAリリーフウェブから、最新の被災状況と各国の援助活動状況です。
3/1 情報源:UNOCHA
―最新の数値では少なくとも799人が死亡し、200万人が被災した。
―人道的活動を援助し、治安を確保するために、軍隊が追加派兵された。
チリ政府の緊急担当部署(ONEMI)によると、死者数は799人に上り、19人が未だ行方不明である。200万人が深刻な被害を受けた。推定150万棟の家が損害を受けた。略奪が起こる最中、10000人の軍隊が被災地、特にMauleとBiobioに展開した。
当局が被災状況の包括的概観を現在見極めているところだが、緊急の優先事項は未だ、捜索・救助活動、医療サービス、避難所、食糧と水、交通と通信と基本的サービスの復興である。
OCHAは10万USDの緊急現金支援を行い、人命救助活動が支援される予定。
・チリ政府は被災地で8箇所の野営病院を建てた。他に4箇所が展開される予定。
・ブラジルは野営病院を設立予定。ペルーも同様に手術室と入院施設のある野営病院を設立予定。
・キューバも26人の医療チームを送り、1箇所の野営病院を供給予定。
・アルゼンチンも3箇所の野営病院を支援。
・国際赤十字・赤新月社はチリ赤十字の救援活動を支援する640万USDの援助要請を発した。75000人が今後、野営病院、水と衛生、緊急避難所などの支援を受ける予定。
・チリ政府は40の仮設避難所を設立した。
・ロシアは毛布や発電機を含む28MTの救援物資を送った。
・オーストラリアは発電機を送る予定
・日本は浄水システム、テントと発電機、医療チームを送る予定。
・スペインは7.5MTの緊急救援物資と75人のチームを派遣予定。キリスト教団体Samaritan’s PurseはConcepcionで救援物資の配布を始めた。また地方の教会に地域食糧配布センターを組織。
・英国赤十字は初動対応として5万ポンドを送った。
・World Visionは防水シート、毛布や水その他の支援を集めている。
・Oxfamは被災地にチームを送り、ボリビアにある倉庫から救援物資の在庫を送る予定。
・シンガポール政府は5万USDを救援物資の購入に寄付する予定。その寄付はIFRCに送られる。
<寄付>
オーストラリア:450万ドル
日本:300万ドル
カナダ:緊急人道支援に200万ドル
中国:100万ドル
ニュージーランド:50万ドル

チリ地震救援レポートNo.2

チリ地震に対して、日本政府は国際緊急援助隊医療チームの派遣を見合わせるとのことだ。1日に医療チーム20人の派遣を一度は決めたが、2日未明になって、チリ政府から「治安も悪化しており、受入体制がとれない」と派遣見合わせの要請があったためである(3/3 朝日新聞)。既に1日に調査のため3人が先行して出発しているが、岡田外務大臣は今回の対応について「結果的に空振りになるリスクを恐れては迅速な派遣はできない。災害だからよくあることで、それを見込みながらやっていくしかない」と説明した(3/3 朝日新聞)。救援要請がない以上、JICAや医療援助団体も動けない。
1988年のアルメニア地震の際、外国援助が殺到し大混乱したことを教訓に、国連は「災害対応の一義的な責任は被災国が負うと決議(91年)した。これを被災政府や国連は、外国の援助の調整主体となるべきと理解し、国際援助を過小評価すべきでないと元JICA国際緊急援助隊事務局長の浅野嘉夫・神戸学院大学教授は言う(2008.5.15 朝日新聞、中国四川地震直後の中国政府の対応に際し)。
一昨年のミャンマー・サイクロン被害や中国・四川地震の際にも問題になったが、国際救援の課題の一つである。今、(日本)国内の防災関係者の間で、「授援力」が議論されている。(「授援力」については、また、改めて書きます)
チリ地震救援募金にご協力下さい
 郵便振替:00930-0-330579 加入者名:CODE
 *通信欄に「チリ」と明記してください。
募金全体の15%を上限として事務局運営・管理費に充てさせていただきます

チリ地震救援レポートNo.1

チリ地震救援活動を立ち上げます!!
「CODE海外災害援助市民センター」は、2月27日未明(現地時間)に発生した「チリ地震」における被災地および被災者に対する救援活動を開始します。具体的には、まずさらなる情報収集および募金活動の展開です。(阪神・淡路大震災以後、全国のみなさまのご支援のもと、被災地の市民とNGOを中心に立ち上げた救援活動はこれで47回目となります。)
去る2月27日、M8.8の大きな地震がチリを襲いました。地震で影響を受けた人数は200万人とも言われています。また、未だに建物の下敷きになり、約50人が生き埋め状態であるという報道もあります。
また、報道によると「略奪」も起こり、治安維持のため軍隊が出動したとのこと。一刻も早く落ち着きを取り戻し、「略奪」という悲しい行為が行われないように支援をしていくことが重要だと考えています。
また、チリは世界有数の地震国で厳格な耐震基準が決められ、防災教育も徹底しているという情報も入っていますので、被害家屋については正確な調査発表で判断するのがよいだろうと思います。
なお現在は、続々と各国が支援に名乗りを挙げている状況です。日本政府は1日、国際緊急援助隊医療チームの派遣を決定しました。またジャパン・プラットフォームも支援を決定されました。チリ・バチェレ大統領は、「過去に経験のない規模の大惨事」と述べ、けが人を路上で治療する簡易治療施設や、被害調査の専門家などが不足しているとして、一部について国際社会の支援受け入れを表明しております。
CODEとしては、募金活動を展開しながら、複数の情報源より可能な限り被災地の状況のわかる情報収集を行い、現地の信頼できるカウンターパートと共に、適切な支援活動を展開します。なお、情報についてはUNOCHAのリリーフウェブの翻訳も随時していきますのでCODEのHPワールド・ボイス(http://codeworldvoice.seesaa.net/)も見て下さい。
振込口座:郵便振替 00930-0-330579
     加入者名 CODE
     *通信欄に「チリ」と明記してください。
なお、皆さまから寄せられたご寄付の15%をCODEの管理運営費に使わせて頂きます。
CODE事務局長 村井雅清
<以下基礎データ>
チリ大地震
発生時間:2010年2月27日 午前3時34分(日本時間 午後3時34分)
震  央:チリ中部コンセプシオンの北東約115km 
      (首都サンティアゴから南南西約340km)
     (タルカの西南西99km)
規  模:マグニチュード8.8 深さ35km
     余震 マグニチュード5を超える揺れを100回以上観測
     津波によって多数の被害が出ている模様
    (コンスティトゥシオンなどの沿岸部など)
死  者:711名(日本時間3月1日午前、チリ国家非常事態局局長発表)
被災者:約200万人
被害家屋:150万戸

チリ地震情報

昨日、また、大きな地震がチリで発生しました。既に新聞、TV等の報道でご存じとは思いますが、CODEでまとめた情報を送ります。
なお、日本でも津波が予想されますので、津波情報に注意が必要です。
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チリ沖で発生した地震の影響で、気象庁は日本国内の太平洋沿岸で28日午後に高さ1~3メートル程度の津波が予想されるとして、大津波警報と津波警報の発表の準備をしている。最大で3メートルの大津波が予想されるのは、青森県や宮城県の三陸沿岸。(asahi.com 28日9時)
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チリ地震 (日本時間28日4時現在)
地 震:
*深さは35km
*海のプレートが南米大陸のプレートに沈み込むプレート境界で発生。
*1960年のチリ地震(M9.5)と同じ海溝型の地震。震源も近い。
*阪神大震災の300倍以上のエネルギー
被害状況:
*死者122人(日本時間28日1時)チリのビニェラ次期大統領発表。(214人に達したとチリ政府が発表、ロイター28日8時)
*コンセプシオンでは、建物、橋などが崩壊、火災も発生。多数の車が引っくり返っている。15階建てのビル倒壊。コンセプシオンには38人の日本人が滞在(09年10月現在)
*サンティアゴでは、教会や複数の建物は倒壊。高速道路も崩壊。サンティアゴ国際空港はターミナルの一部が崩れ、閉鎖。
*M6.9を含む余震が続く。
*チリ中部タルカウアノでは地震発生から90分後に2.3mの津波を観測。
*チリ中部クリコでもビル数棟が倒壊。歴史的建造物の教会も破壊。
*沖合約600kmフアン・フェルナンデス諸島では津波による深刻な被害が出ているとの情報あり。同諸島のロビンソンクルーソー諸島には救援船が急行している。
*津波は数メートル規模に達し、チリ沿岸部や太平洋の島嶼部に深刻な被害をもたらしているとみられる。ハワイに押し寄せる津波は最大4.8メートルに達する可能性がある。日本を含む53の国、地域が津波の影響を受ける可能性がある。
*日本にも28日午後1時頃、約1mの津波が到達する恐れ。
*オストラリア、ニュージーランド、フィリピン、台湾、インドネシアなどで津波警報。アメリカ西海岸、アラスカ州で津波注意報。
救援状況:
*JICAチリ支所(サンティアゴ)の長町支所長から本部に連絡あり。JICAはチリに協力隊、シニアボランティアを47人派遣。
*被災地に救援チームが向かった。バチェレ大統領 談
*中部ビオビオ州とラアラウカニア州を激甚災害地域に指定。
*アルゼンチン、スペイン、ロシアの首相が支援を申し入れた。
*鳩山首相は平野官房長官に緊急援助隊の派遣検討するよう指示した。
*首相官邸の危機管理センターに津波に関する情報連絡室を設置した。
基礎情報:
*チリには約1200人の日本人が在留届を出している。約78社の日本企業が現地に法人を置いている。
*USGS(米地質調査所)では、地震の規模に対して犠牲者の数が比較的少ないのは、チリの建築の安全基準がしっかりしているためとみている。また現地の救急隊員は、今後同地震の死者数が大幅に増える可能性は低いとの見方を示した。(日本時間28日8時、ロイター)