孤児院再訪

2009年に建設中の孤児院を視察に行って下さった元スタッフのSさんが、再び孤児院を訪れ、報告を寄せて下さいました!
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~Sさんからの報告~
バングラデシュ・モレルガンジ、ニッシャンバリア地区にある男子孤児院。以前建設が始まった2009年9月末に訪れてから5ヵ月、再度孤児院を訪れた。この孤児院は2007年11月のサイクロン・シドル被災者支援として、CODEよりバングラデシュ防災センター(BDPC)を通じて支援されている。
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この孤児院はあと15日から20日(2010年2月末現在)で完成するというところであった。前回もお伝えしたかもしれないが、この孤児院は6年前に開設され、コミュニティの支援によって運営されている。運営のために11人の運営委員がコミュニティの中におり、彼らはCODEの支援だけに頼らず、コミュニティ内で支援を呼びかけ、自ら450ドルを調達した。またお金だけではなく、資材などの物資を支援したコミュニティの人もいる。このように外からの援助だけではなく、少しでもコミュニティのお金を入れることで、「この孤児院は自分たちのものである」という意識を高める結果となっている。
それは運営委員の一人の「これはただのレンガではないんだよ、ここにたくさんの愛がつまっているんだ!」という熱い言葉に表されている。
この資金管理に対しても、透明性が確保されるように記録などがきちんとつけられている。
訪問日は金曜日だったため、休日で子どもの数は少なかったものの、施設に残っていた子どもたちは、「もう少しで完成する、早くここに移りたい」と待ちきれない様子であった。
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運営委員が「現時点で仮設として使用している建物を女子専用とし、将来的に新たな資金が調達できれば、現在建設中の施設に2階部分を建設し、女子のために使用したい」と説明をしてくれた。
「この新しい施設が完成すれば、近所の人のサイクロンシェルターとしても機能することが期待され、大変うれしい」という声も聞かれた。
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~以上~
Sさん有り難うございました!

孤児院再建から建設へー現地より

孤児院建設、順調に進んでおります。
最初は再建の予定でしたが、再度見積もったところ支援額で新規建設が行えるようになりました!
今回は、
・現在の建設と孤児院の子ども達の様子(下記写真)、
・孤児院の歴史(設立からCODE支援まで)、
・孤児1名へのインタビュー
をお届けします。
・現在の建設と孤児院の子ども達の様子
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・孤児院の歴史(設立からCODE支援まで)
バングラデシュのモレルガンジ地区にあるこの孤児院は、2006年に設立されましたが、2007年11月15日にこの地区を襲ったサイクロン・シドルによって建物に大きな被害を受けました。
家屋や個人生計が被害を受け、多くの国際NGOや政府が家屋再建支援や生計再建支援を行うなか、それら支援がこの孤児院には届くことはありませんでした。
この孤児院の管理はコミュニティで作られた孤児院管理委員会で行われおり、委員会は政府組織でもなく、NGOでもないため、独自の再建は資金的に不可能でした。
そんな中、CODEカウンターパートのバングラデシュ防災センターがこの地区に別プロジェクトで支援に入ったことで、この再建されずにいる孤児院を見つけ、「CODEの支援が得られないか」という提案がCODE事務所に寄せられました。
災害から2年後の2009年7月16日、CODEの支援によってやっと孤児院の再建が始まりました。
・孤児1名へのインタビュー
ラッセル・モハンマド君(18)は目が見えません。
幼いころに両親を亡くし、おじいさんは農業をしています。
貧しさのため、おじいさんはモハンマド君を養うことはできず、この孤児院に入ることになりました。
この孤児院はどうですかと聞いたところ、
「ここでは1日3回のご飯を食べられます。
それに今度からはサイクロンが来ても大丈夫な建物に住めるし、とても嬉しいです」
と答えました。
ここには様々な理由で連れてこられた男子孤児60人が生活をしています。
サイクロンの時、この地区にはサイクロンシェルターもなく、怖い思いをしましたが、「今度からはこの建物がある」とスタッフも、CODEの支援に大変感謝をしていました。
11月には完成する予定です。

孤児院再建がいよいよスタート

サイクロンシダルで大変な被害を受けたバゲルハット地区のモレルガンジ(Morelganj)にある孤児院再建が7月末より本格的に始まりました。カウンターパートのBPDCスタッフの一人が現地で建築とそれに関わる経費を監督しています。
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バングラデシュ・サイクロン被災者支援事業報告(2009年2月6日)

バングラディシュ・サイクロン「シドル」被災者救援プロジェクト
「笑顔を忘れた子どもたちにもう一度笑顔を」
(シドル被災後、支援の手が差し伸べられていない孤児院の再建)
パートナー団体:Bangladesh Disaster Preparedness Centre(バングラデシュ防災センター)
<孤児院再建事業スタートへ!>
バングラデシュは毎年サイクロンに悩まされていますが、近年では最も大きかった2007年11月15日に発生したサイクロン「シドル」の被害から1年と3ヶ月が経とうとしています。今も復興支援の手が差し伸べられていない人々がおり、その中でCODEはBagerhat(バゲルハット)地方にあるNisanbaria(注1)で、私立の孤児院(注2)を再建します。
同サイクロンによる死者の40%は子どもだと言われており、この災害から生き残った多くの子ども達は孤児となっています。彼らに十分に栄養のある食糧、十分な教育・医療サービスを提供し、居住環境を改善し、彼らがなるべく早くトラウマから脱出し、明るい未来を思い描けるように、パートナー団体のBangladesh Disaster Preparedness Centre(バングラデシュ防災センター)と、1年間で事業を行います。孤児院本体の再建にとどまらず、清潔なトイレ・キッチンの建設、太陽光発電装置整備、職業訓練コース開設などを行う予定です。
注1:
・Nisanbaria, Morelgonj Upazila, Bagerhat District, Khulna Division
・事業地のあるNisanbariaは、ベンガル湾に接する南西のクルナ(Khulna)管区、バゲルハット(Bagerhat)地方、Morrelganj Upazilaに属し、2つの川に挟まれている。
注2:
・事業対象孤児院は寄付により2006年に建てられた「Gulishakhali Hafizia Madrasa Atimkhana孤児院」と「Lillah寄宿舎」。
・現在、教師2人と8~15歳の生徒35人がおり、35人の生徒のうち、9人は両親がおらず、20人は孤児院で生活する。
・孤児院は土づくりだったが、サイクロン後の支援金でブリキ小屋に建て替えられた。このブリキ小屋は、幅が6メートル・長さ18メートルで、清潔なトイレはなく、間に合わせで作られた竹製のトイレが2つ、別建てで存在する。
・現在の問題点:①孤児が生活するのにスペースが不十分。②トイレからの悪臭。③給水設備のないキッチン。④不十分な採光。⑤適切な家具がない。

11.15バングラデシュ・サイクロン支援ニュース No.4

大型サイクロン「シドル」発生以後、国連や赤十字、NGOなどが緊急救援に入っているが、あまりにも多い被災者に対するサポートが行き届かない。
被災者には、米・水・塩・ジャガイモ・衣類などと簡易シェルターとなるビニールテントなどが配布されているようだが、全く追いつかないという状況が報じられている。
そんな中で二人の子どもを亡くした被災者の一人は「避難所さえあれば、二人は死なずにすんだ。わたしの土地をすべてをあげるから、避難所を造って欲しい」と訴えている記事が、11月24日の朝日新聞で紹介されていた。
日本列島に毎年台風が襲うように、バングラデシュにはサイクロンが毎年襲う。災害との共存という現実と向き合った減災への取り組みをしなければ、この被災者のような訴えは後を絶たないだろう。ここ数年前からの災害直後の支援として「Cash for work」という支援の手法が定着している。
これは災害後の救援活動や緊急の復旧活動に従事した労働に、現金で対価を支払うというシステムだ。この機会に、国連やNGO、あるいは世銀などの国際機関などは、是非被災者自身を雇用したシェルターづくりを促進し、就労した被災者にしかるべき日当を支払うという方法を徹底してはどうかと思う。
津波も同じことだが、サイクロンにしても内陸部に関する被害はない。同じバングラデシュ内での支えあいを促し、地域自立の経済が動き出すようなサポートをすることが外部からの援助に求められている。
 CODEは、今の緊急救援を支援しつつ、その後の長期的な復興を視野に入れた支援を模索していきたい。*複数のMLに発信していますので、重複はご容赦下さい。
是非、バングラデシュのサイクロン被害者への支援にご協力をお願いします。
●その他のバングラデシュの支援活動についてのレポートをアップしていますので、
CODEのホームページ下の”World Voice”をクリックしてご覧下さい。
→ http://www.code-jp.org/

11.15バングラデシュ・サイクロン支援ニュース No.3

大型サイクロン発生から12日目を数え、日に日に被害実態が深刻になってきています(11/22の政府発表によると、死者3447人、被災者約550万人)。赤十字国際ニュースによると、現地の防災ボランティアはサイクロン上陸3日前から警報を発していたのだが、過去に経験のない地域をおそったことも被害を大きくした要因の一つと報じています。
この記事を見て、10個の台風が日本列島に上陸し、200人以上の死者を出した2004年を思い出さざるを得ません。日本では各地で、この苦い経験をふまえ「避難準備情報」を発信し、より早期の避難を呼びかけており、それにともなって住民が自主避難できる力を養う取り組みをしています。しかし、それでも再び災害が襲ってくれば大丈夫だろうか?という不安は消えず、被害が最小限に止まることを願うばかりです。
バングラデシュにおいても、これまで以上に「減災」に取り組まれることを願います。きっと日本との経験交流が将来に活きて来ると確信し、CODEが何らかの役割を果たすだろうと考えています。
*CODEワールド・ボイスでは、翻訳ボランティア随時関連情報をアップしていきます。
 →http://www.code-jp.org/wv
*赤十字国際ニュースは下記のアドレスをご覧下さい。
 →http://www.jrc.or.jp/active/saigai/news/1313.html

11.15バングラデシュ・サイクロン支援ニュース No.2

阪神・淡路大震災以来お付き合いのある「バングラデシュ防災センター」所長より連絡がありました。同センターから二人のスタッフが被災地に向かい、情報収集と緊急支援のために活動をしているとのことです。同センターは、やがて復旧・復興のために何が必要なのかを的確に私たちに提案してくれるだろうと思われます。
ニュースNo.1でお伝えしましたように、同国では1970年にも30万人が亡くなるというサイクロン被害をはじめ、度々被害に遭っています。従って、早期の避難訓練やサイクロン・シェルターの建設などを通して”減災”の取り組みに力を入れて来ているようなのですが、残念ながら今回の場合も予想を超える大規模災害となったようです。
地球温暖化の影響もあり、確実に自然災害による被害が複雑化かつ大規模化していると云えます。厳しい課題ではありますが、被害を最小限にとどめることのできる災害との共存方法はないものかと願います。単純に比較は出来ないものの、日本において台風の季節になると、”台風銀座”といわれる沖縄地域で大きな被害が出ていないことなどを考えると、一つはそこにヒントがあるような気がします。また、日本では台風が10個も上陸した2004年以来、これまでの避難勧告と避難指示の前に、もう一つ「避難準備情報」を流すようになっています。こういう早期の避難準備のための情報提供も、減災に大いに役立つのではないかと思います。
とはいえ、被災者1000万人という緊急事態なので、取り急ぎ食料や水、緊急物資などが急がれます。
●その他のバングラデシュの支援活動についてのレポートをアップしていますので、
CODEのホームページ下の”World Voice”をクリックしてご覧下さい。
→ http://www.code-jp.org/

11・15バングラデシュ・サイクロン支援ニュース NO.1

緊急のお願い!!
バングラデシュに支援を!!
既に新聞等でご存知のように、去る15日バングラデシュ南南西バルグナなどを中心に、5~6mの高波、秒速60mを記録するかなり強い大型サイクロンが襲いました。被害の概要は、19日現在で2000人以上の死亡者、損壊家屋77万戸が確認され、被災者は90万世帯にも上るといわれています。
現地の赤新月社はもちろん、日本赤十字社はじめ国際機関やNGOなど各国の支援が入っていますが、被災地は沿岸地域の島々が多いことに加え、至るところの倒木などで道路事情も悪く、救援活動は難航しています。また死体処理の遅れから衛生環境の悪化も心配されています。
バングラデシュでは、1970年にも30万人、1991年にも14万人の犠牲者を出すサイクロンに襲われています。1991年の被害以来、同国はじめ国際社会の支援を受けて、2000棟以上の避難を目的とした”サイクロン・シェルター”建設も行ってきていました。その成果もあって、今回は約150万人の被災者が避難して助かったという事実もあるのですが、一方で現地赤新月社の発表では、死者が1万人を超えるという厳しい報道もあり、余談を許さないところです。
みなさま!
是非、バングラデシュのサイクロン被害者への支援にご協力をお願いします。
 郵便振替:00930-0-330579
 加入者名:CODE
*通信欄に「バングラデシュ・サイクロン」と明記下さい。