【2014年雲南省地震ニュース No.11】

四川省のNGOネットワークからの情報では、以下のような民間団体が被災地で活動しているという。中国扶貧基金会の藍豹救援隊は、地震直後に各界から2200万元(約2億8600万円)を集め、雲南省の省都、昆明から医療品や照明器具、水、救急セット、シートなどの救援物資の輸送を行っている。

愛徳基金会は、火徳紅鎮中学の避難所で飲料水や米、食用油などを配布している。
中国福基会は、直後から成都のチームが徒歩で龍頭山鎮や龍泉郷などに捜索に入り、けが人の搬送などを行い、四川省の涼山公益連盟救援隊と協力して巧家県包谷ノウ郷に入り、最も被害の深刻な大坪子村で重傷者4名を救出している。
その他、中国人口福利基金会慈愛基金や、重慶華岩文教基金会緊急救援センター、中科博愛、上海厚天応急救援隊、感恩公益基金会、安平基金会などが現地へのボランティア派遣などを行っている。
また、4日には、魯デン抗震救災民間協力大本営は、民間の団体の共同計画を作り、救援のプライオリティー計画と地元政府との調整を行っている。
8日の現地の報道では、被災地の前線で活動するNGOなどの民間組織が70を超えたという。個人のボランティアもQQという中国のチャットを使って情報交換を行い、震源に近い龍頭山鎮ではボランティアが300名ほどが活動しているという。

2008年以降、中国のNGOたちは、災害が起きると現地でNGOの救援プラットフォームを立ち上げるのが通例になってきている。今回も同様に壱基金などの20のNGOが5日に魯デン救災連合協同プラットフォームを立ち上げた。だが、昨年の雅安(芦山)地震で大量のボランティアが一機に押し寄せたことによって渋滞を引き起こし、救援
活動に支障を来たしたという事例が、今回も課題になっている。
北京清華大学のNGO研究者は、「四川地震(2008)、玉樹地震(2010)、芦山地震(2013)での経験を経て民間組織の協力意識は高まってきていて、救援の役割分担と団体のコーディネートなどの課題は多い」と語り、中国の民間救援にコーディネート力が不足していること、団体ごとの力量の差、情報交換の不足などが指摘されている。
(吉椿雅道)

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発生日時:8月3日午後4時30分頃(日本時間:午後5時30分 頃)
規模:M6.5
震源:中国雲南省昭通市
深さ:10km

【2014年雲南省地震ニュース No.10】

雲南省は日本とほぼ同じ面積で、標高は南の約500mから北の 5000m近い山岳地帯に人口約4400万人が暮らし、23の少数民族の多く集まる自然豊かなところである。黄河、金沙江(長江)、爛倉江(メコン河)の中国三大河川の上流域にあって、急峻な山岳地帯が多い。だが、緯度が沖縄と同じことから、気候は1年を通して比較てき温暖である。毎年、4月から9月までが雨季でまとまった雨が降り、10月から3月までが乾季で非常に乾燥しているこの雨季の時期、被災地の山岳地帯では連日の雨が降り注いぎ、救援活動を困難なものにしている。さすがに雨が降り続くと標高1800mほどの被災地ではかなり冷え込む。

先日、被災地に入った四川復興管理学院の顧林生氏によると、この雲南魯デン地震は、2008年の四川大地震に似ているという。山間部に点在する集落が被災し、近現代のブロック造の家屋の多くが倒壊している。被災地には回教徒(ムスリム)などの少数民族も被災し、堰止めダム湖が形成され、二次災害の恐れも出ている。たしかに2008年の四川大地震の山間部と同じ状況が起きている。

四川、雲南、青海、甘粛などの中国西南部の地震多発地帯は、いずれも貧困層や少数民族が暮らしており、地震が起きるたびに同じ状況で被災する。今後、この地域での本気の防災・減災対策が求められる。2008年の四川大地震の教訓が試されている。
(青海省より吉椿雅道)

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発生日時:8月3日午後4時30分頃(日本時間:午後5時30分 頃)
規模:M6.5
震源:中国雲南省昭通市
深さ:10km

【2014年雲南省地震ニュース No.9】

国家減災委員会は、4日、国家災害救助応急対応レベルを3から1に引き上げた。
政府も本腰を入れて救援活動を展開しているが、民間のNGOや基金会などの救助チームが続々と現地入りしている。ここ青海省の最大都市の西寧でもボランティア登録や募金活動なども行われている。2008年の四川大地震以降、連携しているNGOネットワークのGさんからの情報によると、現在、被災地には中国全土より約60の民間の救助チームが雲南省の被災地に入っている。
「藍天救助隊」は、4日に現地に入り、昆明、蘇州、青島、アモイなどの5グループに分かれ、龍泉村など入り、捜索活動やテント張り、救援物資の配布を行っている。また、中国最大のNGOのひとつ、「壱基金」の第1次隊5グループに別れ、龍頭山鎮、驢馬口村で捜索、巧家県包谷ノウ郷で捜索活動を展開し、第2次隊は、河南、山西、海南、北京、華北、ニンポーなどの6グループが、テント、毛布などを龍頭山鎮、李家山村、巧家県の新店鎮、包谷ノウ郷で配布している。また、地元の魯デン県の中学生もボランティアとして救援物資の搬入出作業を手伝っているそうだ。そのほか、四川省の南充赤十字山岳救助隊は、医療、山岳などの専門器具を持って、魯デン県の幼稚園を拠点に龍泉村、翠塀村で捜索を行っている。

楽施会(OXFAM)の昆明事務所のスタッフも魯デン県、巧家県に入り、被災状況を調査し、昆明の災害備蓄倉庫から懐中電灯や毛布、防水シートなどを輸送している。

2008年の四川大地震以降、民間の緊急救援活動が活発化しているが、大きな政府の動きには勝るものではないが、民間が小さな動きでも、このように一つひとつ実績を積んでいくことがいずれ大きな公益の動きになっていくのだろう。(青海省より吉椿雅道)

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発生日時:8月3日午後4時30分頃(日本時間:午後5時30分 頃)
規模:M6.5
震源:中国雲南省昭通市
深さ:10km

【2014年雲南省地震ニュース No.8】

発災から5日目を迎えましたが、犠牲者の数は現在も増加し続けています。7日朝の時点で、615人は死亡、3143人が負傷、8万以上の家屋が全壊または損壊、約23万人が避難していると中国国営メディアは伝えています。また未だに被災地の数百~数千世帯では電気が復旧していない状況です。

避難者の多くは学校や川岸などの平坦な場所にテントなどを張って避難しています。しかし、被災地では酷暑や被災後にやってきた暴風雨によって被災者の生活は心身ともに厳しいものとなっています。また現地で活動している国際赤十字のメンバーは、被災地は避難者のためのシェルターやテントが足りず、また医療チームなどの専門家も足りていないと述べています。

中国のキリスト教系団体である愛徳基金会のニュースによると、被災地の特に山間の村々はもともと貧困地域であり、多くの家は泥とレンガで作られた単純なものであるようです。そのため今回の地震では多くの建物が壊れ、下敷きになった多くの住民が犠牲となりました。
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発生日時:8月3日午後4時30分頃(日本時間:午後5時30分 頃)
規模:M6.5
震源:中国雲南省昭通市
深さ:10km

【2014年雲南省地震ニュース No.7】

雲南省でM6.5の地震が発生してから4日目を迎えましたが現在も被災住民の救出作業が続いています。省政府によると、これまでに589人が死亡、2401人が負傷、8万以上の家屋が損壊、23万人が避難しているようです。被災地では発災から72時間が経過し、行方不明の被災者の現状はより厳しいものとなっています。一方で、救助隊の懸命の捜索により72歳の男性と88歳の女性が、瓦礫の下敷きになってからから3日近く経過した後に救助されています。

OCHAからのニュースでは、一人の医師が「現地はとてもひどい状況であり、自身も友人や同僚を失った。」と語っています。また、150ものテントで避難所が用意されたが、ゴミや排泄物の臭いがひどいと訴えられており、衛生面での問題も発生しています。
各地でボランティアが被災地へ入ろうとしていますが、軍や政府関係の車両以外に規制がかけられており、民間の救援隊は容易には被災地へと入れない状況となっています。しかし一部では、車両以外での被災地入りの規制は厳しく行われておらず、ボランティアが徒歩で被災地に入り活動しているようです。

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発生日時:8月3日午後4時30分頃(日本時間:午後5時30分 頃)
規模:M6.5
震源:中国雲南省昭通市
深さ:10km

【2014年雲南省地震ニュース No.6】

これまでに死者410人、負傷者約2300人となっている雲南省の地震から4日目を迎えました。土砂や瓦礫の下敷きになった際に静止を分けるという72時間の壁が目の前に迫っておりますが、今も件名に救援隊によって倒壊家屋の下から生存者の救出が行われています。龍頭山鎮の龍井村の被害も深刻のようで、今も多くの方が瓦礫の下敷きになっているとの報道もあります。
雲南省政府は軍や武装警察、消防など約7000人を投入して救援活動を行っています。消防は魯デン、巧家、会澤の3つの県で救援活動を展開しています。魯デン県では楽紅郷、火徳紅郷、金デン郷など、巧家県では、包谷ノウ郷、新店郷、老店郷などで、会澤県では紙キョウ郷などの村々で消防による救援活動が行われています。

近隣の貴州省、重慶、四川などからは官民両方の救援隊が現地入りしているようです。また被災地では救援以外の車両への交通規制がかかっているようです。
慶からの民間の救援隊は、2008年四川大地震、2013年の雅安地震などで経験を積んだボランティアたちで、主に救援物資の提供を行っているようです。

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発生日時:8月3日午後4時30分頃(日本時間:午後5時30分 頃)
規模:M6.5
震源:中国雲南省昭通市
深さ:10km

【2014年雲南省地震ニュース No.5】

今回の地震の被災地である雲南省は中国でも特に地震の多い地域として知られています。中国国家地震台網センターの発表では、この地震は地震の多い雲南省でも過去14年で最大規模のひとつだと言っています。また、この地震震源の約200km周囲での地震は、1900年以降、M6以上の地震は15回、そのうち最大のものは、1974年のM7.1で、今回の地震の震源から140kmのところで起きています。そしてこのエリアの約100km圏内では、M5以上の地震は24回発生しており、そのうちM6以上は1930年のM6のようです。(国家地震台網センターの統計)

現地では雨による土砂災害、この地震でできた堰止めダム湖の水位上昇などの二次災害による被害が懸念されています。

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発生日時:8月3日午後4時30分頃(日本時間:午後5時30分 頃)
規模:M6.5
震源:中国雲南省昭通市
深さ:10km

【2014年雲南省地震ニュース No.4】

中国四川省にいる吉椿(CODE事務局長)より、政府の支援状況の情報が届きました。

政府の李克強首相は、国家減災委員会に指示して、民政部、地震局、発展改革委員会などの8部門からなるチームを現地に派遣し、調査を行っています。
また雲南省政府は、2000張のテント、3000の折りたたみベッド、3000の衣類などの物資を被災地へと輸送しました。また四川省の成都軍区からも2500人の人員が現地へ派遣されたようです。
また現地では雨による二次災害も懸念されており、被災者の安否や避難状況、生活が心配されます。

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発生日時:8月3日午後4時30分頃(日本時間:午後5時30分頃)
規模:M6.5
震源:中国雲南省昭通市
深さ:10km

【2014年雲南省地震ニュース No.3】

中国四川省にいる吉椿(CODE事務局長)からの情報では、被災地ではまだ困難な状況が続いているようです。雲南省の魯デン県の10の郷鎮では今朝の段階でもまだ停電が続いているようです。魯デン県は昭通市から南西に30~40kmほどの場所に位置しています。
今回の地震で特に深刻な被害を受けている龍頭山鎮は魯デン県からさらに南西に30~40kmほどの場所に位置しており、山岳部の一本道を入った場所になります。そのため、救援隊が入ることも困難であることが予想されます。

雲南省は毎年、M5クラスの地震が起きており、非常に地震の多いところです。しかし、少数民族の多いところであり貧富の格差も大きく、耐震化も進んでいないのが現状です。
住宅を見ても近現代のコンクリートスレートの重い屋根の乗った住宅が、つぶれています。これは2008年の四川大地震のときと同様です。また土壁の木造家屋も倒壊しているようですが、伝統建築かどうかはまだわかっていません。

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発生日時:8月3日午後4時30分頃(日本時間:午後5時30分頃)
規模:M6.5
震源:中国雲南省昭通市
深さ:10km

【2014年雲南省地震ニュース No.2】

中国四川省にいる吉椿からの情報によると、現地では既に救援活動が始まっているようです。国や省の救援隊が現地に入って救援活動を開始しており、昨晩は被災地の村々に向かう山道の陥没や落石の除去、修復作業を行っていたようです。
また被災者の人たちの中にはまだテントが届いていない方もいるようで、天幕だけを張って地べたに寝ている様子も報道されています

雲南省は、中国3大河川(黄河、揚子江、メコン河)の上流部であり、高低差の激しい山岳地帯が多い地域となっています。そのため被災した村々に入るのに困難を極めています。また中には、車両が入れず、救援隊が徒歩で入っている地域もあります。

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発生日時:8月3日午後4時30分頃(日本時間:午後5時30分頃)
規模:M6.5
震源:中国雲南省昭通市
深さ:10km